【これからの見通し】再び米国売りの様相、トランプ氏のパウエルFRB議長解任発言で
【これからの見通し】再び米国売りの様相、トランプ氏のパウエルFRB議長解任発言で
市場は再び米国売りの様相を呈している。トランプ米大統領の言動が米国資産に対する信頼性を損なっており、米国離れの動きが広がってきている。トランプ相互関税が世界経済および米国経済に対するネガティブな動きが懸念されている。これに加えて、足元ではトランプ大統領がFRBに対して繰り返し利下げを要求、パウエル議長に解任の圧力をかけていることが背景となっている。
昨日の米株式市場ではダウ平均が1000ドル近い下げで引けた。ただ、きょうの日本・アジア株式市場ではそれほど売り圧力は高まっていない。為替市場でもドル円が一時139円台に突入したが、日本株売りはさほどみられず、米株独歩安の印象が強い。米10年債利回りは今日の時間外取引で4.43%台まで一段と上昇した。
ドル円相場は昨年9月以来の139円台となったが、この後の海外市場でも円高・ドル安水準が定着するのかどうかが注目される。ユーロドル1.15台、ポンドドル1.34台などドル安が進行している。東京市場ではドル円の下げがクロス円にも波及しているが、海外市場ではドル主導の展開に変化する可能性もあり注意してみたい。
この後の海外市場で発表される経済指標は、トルコ消費者信頼感指数(4月)、台湾と香港の雇用統計(3月)、イスラエル貿易収支(3月)、カナダ鉱工業製品価格(3月)、ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)(4月)、米リッチモンド連銀製造業指数(4月)などが予定されている。市場にインパクトを与えそうな指標は見当たらない。
発言イベントでは、ジェファーソンFRB副議長、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、バーキン・リッチモンド連銀総裁、クーグラーFRB理事など米金融当局者らの講演が注目される。トランプ大統領のFRBに対する攻撃に対してどのようなコメントが出てくるのか。トランプ関税の短期的なインフレ効果とより長期的な景気冷却効果にバランスについての冷静な見解が期待される。
その他には、ECB専門家予測調査(SPF)、IMF世界経済見通し(WEO)、ラガルドECB総裁、デギンドスECB副総裁、クノット・オランダ中銀総裁などの講演やTV出演が予定されている。米2年債入札(690億ドル)が実施される。米主要企業決算ではテスラが注目される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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