トルコ発の材料でドル買い優勢、ドル円は一時150円つけるも149円台で激しく振幅=ロンドン為替概況
トルコ発の材料でドル買い優勢、ドル円は一時150円つけるも149円台で激しく振幅=ロンドン為替概況
ロンドン市場では、ドル買いが優勢になっている。トルコでエルドアン大統領の最大の政敵であるイスタンブール市長が大学学位をはく奪されたうえ警察に拘束された。市場のトルコ政府への信任が崩壊、リラ急落、株安、債券安のトリプル安となった。介入でリラが下支えされたが、元の水準には戻っていない。ドル買い・リラ売りの動きでリラは最安値を更新。その他主要通貨にもドル買い圧力を広げた。ドル円に関してはリラ円の急落の影響が大きく、売りが先行した。日銀が政策金利を予想通り据え置いたあと、植田日銀総裁会見では春闘結果を受けて今後の利上げに前向きな姿勢もみられたが、トランプ関税など不確実性の高さも指摘した。トランプ関税についてのメドがたつ4月が次のポイントとなっている。ドル円は会見中に150.02近辺まで買われたが、リラ売りとともに149.15近辺まで下落。その後は再び149円台後半へと買い戻された。この後の米FOMCについては政策金利据え置きがコンセンサスとなっている。一部報道によるFOMCは今後6カ月間は様子見であろうとの見方が示されていた。日米金利差はなかなか縮まらないとの見方につながっているようだ。ユーロドルはトルコリラ急落とともにドル買いに押され1.08台後半へと下落。ポンドドルも1.29台半ばまで下押しされた。ウクライナ情勢ではロシアが再びウクライナのインフラ施設を攻撃と、不完全な停戦状態にとどまっている。
ドル円は149円台後半での取引。東京市場で149円台前半から後半へと上昇したあと、ロンドン朝方には植田日銀総裁会見中に150.02近辺に高値を伸ばした。その後は売りが強まり、149.15近辺まで急反落。リラ売りの影響がみられた。しかし、米FOMCを控えてドル買いの動きも根強く149円台後半へと再び上昇している。
ユーロドルは1.09付近での取引。東京朝方の1.0947近辺を高値に上値重く推移。ロンドン朝方にはリラ売り・ドル買いの動きが強まると、ユーロドルもドル買いに押された。一時1.0874近辺まで安値を広げている。しかし、ロンドン時間に入ると下げ渋りとなり、1.09挟みの水準に落ち着いている。ユーロ円はロンドン朝方にドル円が150円台を付けたタイミングで163.88近辺に高値を伸ばした。その後はリラ安に波及で売られ、安値を162.20付近に広げた。ロンドン時間には163円台半ばへと買い戻されており、前日終値水準に回帰している。対ポンドではユーロ売りが先行も、足元では落ち着いている。ドイツ議会で財政改革案が通過した後で、ポジション調整が入る面も指摘される。
ポンドドルは1.29台後半での取引。東京朝方の1.3004近辺を高値に上値重く推移している。ロンドン序盤には1.2957近辺まで安値を広げた。ポンド円は上下動。ロンドン早朝に194.69近辺まで買われたあとは、売りが強まり安値を193.27近辺に広げた。ロンドン時間に入ると買戻しが優勢となり194円台前半まで上昇している。ユーロポンドは0.8420近辺を高値に0.8391近辺まで売られたあとは0.84付近での揉み合いに落ち着いた。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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