ドル円150円に迫るも乗せ切れず、ユーロ買い先行も一服、ドイツ議会や米露会談控えて=ロンドン為替概況
ドル円150円に迫るも乗せ切れず、ユーロ買い先行も一服、ドイツ議会や米露会談控えて=ロンドン為替概況
ロンドン市場では、ユーロ買いが優勢。この日ドイツ議会では財政改革案に関する採決が実施される。緑の党の賛成で可決する見込みとなっている。財政規律が緩和されることから防衛費増や景気刺激策などがドイツ景気を押し上げることが期待されている。ロンドン市場ではユーロ買いが先行し、対ドルで1.09台半ば、対円で164円台乗せ、対ポンドでもユーロが買われた。ただ、この後の米露電話会談を控えて、プーチン氏が「ウクライナ和平案ですべての武器供給停止要求へ」との関係者発言が伝わると、市場にはやや警戒感も広がり、ユーロ買いの勢いは次第に落ち着いている。独ZEW景況感は予想以上に改善したが、市場は反応薄だった。ポンドも対ドルや対円ではユーロに連れ高となった。対ドルでは一時1.30台の節目水準に乗せる場面があった。対円では195円手前まで買われた。足元ではユーロと同様に買い一服となっている。木曜日の英中銀金融政策委員会では政策金利据え置きが市場に織り込まれている。ドル円は東京市場から引き続き堅調に推移。ロンドン序盤には149.90近辺まで高値を伸ばした。しかし、150円台に乗せには至らず149円台後半で揉み合っている。明日の日米金融政策会合ではいずれも政策金利据え置きが市場コンセンサスとなっており、目先の日米金利差縮小観測は後退している。円相場には日銀追加利上げ観測に基づいた円買いポジションに対する調整圧力が続いている。
ドル円は149円台後半での取引。東京朝方の149.13近辺を安値にほぼ一方通行で買われた。ロンドン序盤には149.90近辺まで高値を伸ばしたが、150円には届かず。その後は149円台後半で売買が交錯している。
ユーロドルは1.09台前半での取引。東京市場ではやや上値重く推移し、ロンドン朝方には1.0904近辺まで軟化した。しかし、ロンドン時間に入ると買いが強まり高値を1.0955近辺まで更新、昨年10月以来の高値水準となった。ドイツ議会での財政改革案の可決が見込まれるなかで今後の景気回復への期待がユーロ買いにつながっていたようだ。ユーロ円は東京朝方の162.89近辺を安値に、ロンドン序盤には164.19近辺まで高値を伸ばした。その後はユーロドルとともに買い一服となっている。対ポンドでもユーロは買いが優勢に推移している。3月独ZEW景況感指数は51.6と前回の26.0から大幅改善、市場予想48.3も上回った。ただ、ユーロ買いが一巡したタイミングもあって反応薄だった。
ポンドドルは1.29台後半での取引。ロンドン朝方の1.2968近辺を安値に、ロンドン序盤には1.3005近辺まで上昇。昨年11月以来の高値水準となった。その後は1.30台を維持できず、1.29台後半で推移している。ポンド円は東京早朝の193.72近辺を安値に買われ、ロンドン序盤には194.91近辺に高値を伸ばした。その後は194円台前半へ上昇一服。ユーロポンドはユーロ買いが優勢で、0.8402から0.8428まで上昇した。ポンドは木曜日の英金融政策委員会を控えて目立った新規材料には欠けている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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