ドル円、一時152円台前半まで下げ幅拡大 円高の動きも加わる=NY為替概況
ドル円、一時152円台前半まで下げ幅拡大 円高の動きも加わる=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル円は売りが加速し、一時152円台前半まで下げ幅を拡大した。この日発表のISM非製造業景気指数が予想を下回ったことをきっかけに売りが加速。本日の下げで200日線を下回っており、明日以降の動きが注目される。
トランプ関税への懸念がひとまず一服する中、ドル安が続いていることや、円高もドル円を圧迫。円については東京時間に発表された12月の実質賃金がプラスになったこともサポートしたようだ。前回11月分もプラスに上方修正されている。日銀の年内の追加利上げを後押しする内容ではあった。
ただ、トランプ関税への脅威が一旦収まっていることで、再びドル安の動きが出ているが、持続性には懐疑的な見方が多い。米経済が相対的に力強く推移しているほか、落ち着いているとは言え、貿易戦争への懸念は今後も続くと見られている。現在のドル安は一過性に過ぎないと見ている向きも少なくない。米経済の好調さや、FRBの追加利下げへの慎重姿勢で、長期的なドル高の流れに変化はないと見られているようだ。
ユーロドルも買い戻しが続き、本日は1.04ドル台を回復。21日線の上も復帰していることから、下値警戒感は再び後退している。目先は1.05ドル台を回復し、直近高値の1.0535ドルを試す展開になるか注目される。
ただ、ECBの追加利下げ期待は根強い。ECBが発表する賃金トラッカーは、賃金の上昇ペースが2025年も引き続き大幅に鈍化するとの予測を示した。この日の発表によると、10-12月の賃金上昇率は年率1.5%と予測され、12月時点の予測1.4%から若干上昇してはいるものの、前年のピーク5.3%からは大幅な減速を示している。
ECBは先週、今回の利下げサイクルで5回目の利下げを実施し、中銀預金金利を2.75%としたが、7月までに2.00%まで引き下げるとの見方が有力視されている状況に変化はない。
ポンドドルは買い戻しの展開が見られ、一時1.25ドル台半ばまで上昇する場面が見られた。1月27日につけた直近高値1.2525ドルを一時突破しており、完全に上抜けてくるか注目される。1月からのリバウンド相場はしっかりと継続している状況。
明日は英中銀の金融政策委員会(MPC)の結果が発表される。0.25%ポイントの利下げがほぼ確実視されており、市場は今後のヒントが何か示されるか注目している。そのような中で、利下げは今回を含めてあと2回のみで年後半には休止の可能性があるとの指摘も出ている。
低成長と失業率の上昇に対する懸念から、当初の利下げは早まる可能性は高いが、インフレ再燃に対する懸念から、英中銀は利下げを一時停止する可能性があるという。政府支出増加と利下げは需要を刺激し、企業は値上げでコスト上昇をカバーする可能性がある。その場合、英インフレは年内に3.0%まで再加速する可能性があると指摘している。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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