ダウ平均は反発 米雇用統計で安心感 テスラも反発=米国株序盤
NY株式6日(NY時間11:37)(日本時間00:37)
ダウ平均 42658.42(+338.68 +0.80%)
ナスダック 19504.26(+205.81 +1.07%)
CME日経平均先物 38010(大証終比:+240 +0.63%)
きょうのNY株式市場、ダウ平均は反発しており、一時600ドル超上昇する場面も見られた。取引開始前に5月の米雇用統計が発表になり、非農業部門雇用者数(NFP)が13.9万人増と予想を上回った。前回の下方修正分と併せると、雇用情勢の軟化を示す内容ではあるが、失業率は4.2%と前回水準を維持し、平均時給が予想を上回る伸びを示すなど、底堅さは堅持している。
市場ではFRBの利下げ期待を後退させており、年内2回の利下げを織り込んでいない。トランプ大統領はパウエル議長に1%ポイントの利下げを要求していたが、エコノミストからは「FRBの忍耐強い姿勢を変えない」「FRBに利下げ先送りの余地さらに与える」「FOMCは利下げに慎重であるべきだ」といったように、大幅や早期の利下げには否定的な見解が相次いでいる。
また、前日に大幅安となり全体相場も圧迫していたテスラ<TSLA>の反発もフォローとなっている模様。前日はマスクCEOとトランプ大統領が公の場で激しい口論の応酬を繰り広げていたが、マスク氏が態度を軟化させたことで、ひとまず安心感に繋がっているようだ。
ただ、株式市場は直近の急速な買戻しで過熱感が出ていることも確かで、ストラテジストからはテクニカル的な「売り」シグナルを発動する寸前に迫っているとの警告も出ている。
半導体のブロードコム<AVGO>が決算を受け下落。決算は好調な内容ではあったものの、AI投資ブームが一部の投資家の期待ほど強くないことを示唆したと指摘されている。今回の見通しは同社のAIによる成長に対して、投資家の期待が過度だったことを示している。
ヨガウエアのルルレモン・アスレティカ<LULU>が決算を受け大幅安。既存店売上高が予想を下回ったほか、中国での売上高も予想を下回った。ガイダンスでも通期の売上高見通しを下方修正したほか、第2四半期の売上高も予想を下回る見通しを示している。競争激化と新たな関税が、同社の野心的な成長計画に打撃を与えているとの懸念が広がっている。
電子署名のドキュサイン<DOCU>が決算を受け大幅安。予想を下回る第2四半期の見通しを発表したほか、通期のビリング(未収請求を考慮した売上高)の見通しを下方修正したことが嫌気されている模様。
ソフトウエア開発のサムサーラ<IOT>が決算を受け下落。好調な決算ではあったものの、最近の株価上昇は正当化していないとの評価が出ている。
低軌道衛星を利用したブロードバンド・ネットワークを構築するASTスペースモバイル<ASTS>が反落。前日はトランプ大統領と口論になったマスク氏が、国際宇宙ステーション(ISS)へ貨物や人員を輸送してきたスペースXの宇宙船「ドラゴン」を退役させる考えを示し、他の宇宙関連株とともに同社株も上昇していたが、マスク氏がドラゴンの退役を撤回したことで反落している。
アパレルやアクセサリのレンタルを手掛けるレント・ザ・ランウェイ<RENT>が決算を受け大幅高。契約者数が再び増加し、過去最多となる14万7000人超のアクティブユーザーを記録した。
ブロードコム<AVGO> 250.71(-9.23 -3.55%)
ルルレモン<LULU> 264.54(-66.24 -20.03%)
ドキュサイン<DOCU> 75.45(-17.45 -18.79%)
サムサーラ<IOT> 44.89(-2.37 -5.01%)
AST<ASTS> 30.08(-0.77 -2.50%)
レント・ザ・ランウェイ<RENT> 9.11(+2.37 +35.21%)
アップル<AAPL> 203.01(+2.38 +1.19%)
マイクロソフト<MSFT> 470.58(+2.90 +0.62%)
アマゾン<AMZN> 211.12(+3.21 +1.54%)
アルファベットC<GOOG> 174.11(+4.30 +2.53%)
アルファベットA<GOOGL> 172.64(+4.43 +2.63%)
テスラ<TSLA> 300.37(+15.67 +5.50%)
エヌビディア<NVDA> 141.66(+1.67 +1.19%)
メタ<META> 694.64(+10.02 +1.46%)
AMD<AMD> 116.17(+0.48 +0.41%)
イーライリリー<LLY> 768.22(+2.54 +0.33%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。