【これからの見通し】フランスに加えて韓国でも政情不安が発生、しかしドル円相場は比較的落ち着いた展開
【これからの見通し】フランスに加えて韓国でも政情不安が発生、しかしドル円相場は比較的落ち着いた展開
今週は政治の問題がクローズアップされている。フランスでは本日にでもバルニエ政権の不信任案決議が実施される見込み。また、昨晩には突然、韓国の政情不安が勃発した。市場は詳しい事情を呑み込めないままとりあえずリスク回避に反応していた。尹大統領が戒厳令を発したが、その数時間後には混乱回避のため撤回。そして、議会は大統領の弾劾決議を行うという。フランスとともに今後の政局は不透明を極める状況となっている。
しかし、本日のドル円相場は落ち着きを取り戻している。149円台半ばから150円台を回復する動き。日経平均は上下動も下げは限定的で、小幅高で引けている。市場では新たに発生した海外の政治不安事案に対して、日銀が早期利上げを見送るのではないか、との思惑が働いているもよう。昨日は欧州株もプラス圏で取引を終えており、フランスの政局不安にも市場は目をつぶっているようだ。金融市場独特のセンスなのかもしれないが、市場全般にはパニックにはなっていない。短期的な値動きに惑わされないほうが良さそうだ。ドル指数は11月に入ってからはむしろ値幅が次第に小さくなっており、三角保ち合いを形成している。
この後の海外市場で発表される経済指標は、フランス・ドイツ・ユーロ圏・英国・米国などの非製造業PMI確報値(11月)、ユーロ圏生産者物価指数(10月)、MBA住宅ローン申請指数(11/23 - 11/29)、ADP雇用者数(11月)、製造業新規受注(10月)、耐久財受注・確報値(10月)、ISM非製造業景気指数(11月)、ブラジル鉱工業生産指数(10月)、カナダ労働生産性(第3四半期)など。本日は非製造業(サービス業)関連の経済指標が多くなっている。また、週末の米雇用統計の関連指標としてADP雇用者数が注目される。市場予想は15万人増と、前回の23.3万人増から減速する見込み。
発言イベント関連では、ベイリー英中銀総裁、チポローネECB理事、ラガルドECB総裁、ムサレム・セントルイス連銀総裁、バーキン・リッチモンド連銀総裁、マクルーフ・アイルランド中銀総裁、ナーゲル独連銀総裁、パウエルFRB議長などが講演・イベント参加の予定。NY終盤には米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表される。また、OECDが世界経済見通しを発表する。パウエル議長とベージュブックが注目されよう。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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