円買い優勢、日銀への思惑やウクライナ情勢の緊迫化で ドル円154円台前半=ロンドン為替概況
円買い優勢、日銀への思惑やウクライナ情勢の緊迫化で ドル円154円台前半=ロンドン為替概況
ロンドン市場では、円買いが優勢。植田日銀総裁が「次回12月の日銀金融政策決定会合までにより多くのデータが得られる」と述べたことに、市場は12月追加利上げへの思惑を強めたもよう。さらに、ウクライナ情勢の緊迫化がリスク回避の円買いやドル買いにつながった。昨日はウクライナが米国製ミサイルに続いて英国製ミサイルもロシア領内に発射した。これに対してロシア側はICBMをウクライナの目標に向けて発射している。ICBMは核弾頭を装着可能とみられており、強いメッセージ性がある。欧州株が軟調に推移、米債利回りもやや低下、ドル円は155円付近から154円台割れ目前まで下落した。ユーロ円は163円台半ばから162円台割れ目前へ、ポンド円は196円台前半から194円台半ばまで下落した。ユーロドルは1.05台半ばから前半へ、ポンドドルは1.26台半ばから前半へと下押し。その後、やや値動きが落ち着く中で、英CBI製造業受注指数が予想以上に改善するとポンドは反発。対ユーロでのポンド買いが強まっている。
ドル円は154円台半ばでの取引。東京早朝の155.45近辺を高値に、その後は売りが続いている。植田日銀総裁の発言が12月利上げへの市場の思惑を高め、155円台割れから154円台半ばへと下落。ロンドン時間に入るとロシアがウクライナにICBMを発射と報じられリスク回避の売り圧力が広がった。安値を154.09近辺まで広げている。足元では欧州株の下落一服とともに、やや下げ渋りとなっている。
ユーロドルは1.05台前半での取引。東京昼過ぎの1.0555近辺を高値に、ロンドン時間には1.0514近辺まで下落している。ユーロ円は東京朝方の163.88近辺を高値に売られ続けている。ロンドン序盤には162.07近辺まで安値を広げた。対ポンドではやや売り圧力に押されている。仏中銀総裁やギリシャ中銀総裁からは利下げを正当化する見方が示された。
ポンドドルは1.26台半ばでの取引。東京午後の1.2660近辺を高値に、ロンドン序盤には1.2623近辺まで下落した。しかし、英製造業受注が予想以上に改善したことで1.26台半ば付近へと反発している。ポンド円は東京朝方の196.73近辺を高値に売られ、ロンドン序盤には194.54近辺まで安値を広げた。その後は195円台前半へと下げ渋っている。ユーロポンドは0.8340付近から0.8320付近へと軟化しており、ポンド買いが優勢。英FT指数はプラス圏推移を続けており、独DAX、仏CAC指数などよりは底堅く推移している。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。