【これからの見通し】今週はドル買いが再開して始まる、ドル円の行方はFRBと大統領選次第に
【これからの見通し】今週はドル買いが再開して始まる、ドル円の行方はFRBと大統領選次第に
今週はドル買いが再開して始まっている。昨日は海外市場で米債利回りが着実に上昇、ドル円は150円台にしっかりと乗せた。今日の東京市場ではさらに151円台乗せまで買われる場面があった。ここ1カ月で10円超のドル高・円安となっている。ただ、政府・日銀からは強い円安けん制のメッセージは発せられていない。もしくは、市場は依然ほど気にしてないようにも思える。
ドル円の上昇は米国発の材料による面が強いようだ。一連の米経済指標が予想以上に強い結果を示しており、年内の米利下げ観測は次第に後退してきている。昨日の一連のFRB当局者発言からも、利下げに対する慎重な姿勢を示す意見が多かったようだ。
これに加えて、11月5日の米大統領選を控えた思惑もドル高に作用している。特に、トランプ氏は貿易関税賦課を強調しており、輸入物価上昇によるインフレ再燃のリスクが取り沙汰されている。ハリス氏においても、積極的な景気浮揚策による需要インフレが巻き起こされる可能性が指摘されている。ドルは1強状態となる公算が高まっているようだ。
米ファンダメンタルズ状況の把握、米金融当局者の考えがポイントとなっている。
ただ、この後の海外市場で発表される米経済指標は、リッチモンド連銀製造業指数(10月)くらい。きょうは材料難となっている。その他主要国でもカナダ鉱工業製品価格(9月)が予定される程度だ。
発言イベント関連の予定では、米金融当局者は ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁がフィラデルフィア連銀主催フィンテックイベント開会挨拶を行う。昨日ほど豊富な予定にはなっていない。
一方で、英欧関連では予定が詰まっている。センテノ・ポルトガル中銀総裁、クノット・オランダ中銀総裁、ホルツマン・オーストリア中銀総裁、ラガルドECB総裁、ビルロワドガロー仏中銀総裁、レーン・フィンランド中銀総裁、パネッタ伊中銀総裁などの発言機会が予定されている。特に、ラガルド総裁はブルームバーグTVとIMF世銀年次総会の討論会など引っ張りだことなっている。英当局者は、ベイリー英中銀総裁、グリーン英中銀委員、ブリーデン英中銀副総裁などの講演や討論会参加が予定されている。
英欧中銀総裁の意見がハト派方向に傾斜するようだと、裏を返してドル買いの材料となろう。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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