【これからの見通し】中国が利下げ、リスク選好ムードのなかでドルに売り圧力、目先は円安も
【これからの見通し】中国が利下げ、リスク選好ムードのなかでドルに売り圧力、目先は円安も
きょうは中国が1年物金利を2.30%から2.00%に引き下げた。先日に報じられた人民銀行による景気刺激諸策の一環だ。昨日から一気にリスク選好ムードが広がっており、中国・香港株の大幅高を皮切りに、欧州株が上昇。NYダウは再び最高値を更新した。商品市況も世界的な成長期待を受けて堅調に推移している。期待先行の面もあり、今後は中国の景気刺激諸策が実るのかどうかが焦点となろう。
為替市場ではドル指数が再び下値を試す展開となっている。ユーロドルは1.12台を試す動き。ポンドドルは1.34台に乗せる動き。ドル円はリスク選好の円売りとドル売りがせめぎ合っており、やや円売りが勝っている状況だが、145円では上値を抑えられている。ドル安圧力にはリスク選好の面とともに、米金融当局が利下げ軌道を開始したこともあるようだ。
ドル相場は独歩安状態となってきている。直近1カ月の動きをみると、強い通貨順にポンド、豪ドル、NZドル、円、ユーロ、カナダドル、スイスフランとなっている。いずれも対ドルでは強含んでいるが、強さの程度にはかなりのばらつきがみられる。景気敏感および資源国通貨とされるポンドやオセアニア通貨が強い。円とユーロは中間に位置しており、カナダドルやスイスフランはそれ度強くない通貨となっている。
一方、1週間程度でみると、ドル以上に円が安い。強い通貨グループにはNZドル、豪ドル、ポンドとともにカナダドルも加わっている。ユーロとスイスフランはやや強さの面で見劣っている。円安相場となっており、上記のリスク選好の動きが前面に押し出される状況となっているようだ。
この後の海外市場で発表される経済指標は、フランス消費者信頼感指数(9月)、スウェーデン中銀政策金利、米MBA住宅ローン申請指数(09/14 - 09/20)、米新築住宅販売件数(8月)、ブラジル拡大消費者物価指数(IPCA)(9月)など。
発言イベント関連では、グリーン英中銀委員が消費について講演を行う。直近の英MPCで同委員は据え置きを主張しており、消費の強さの論拠が示されそうだ。また、NY終盤にはクーグラーFRB理事が経済見通しについて講演を行う。その他には、OECD中間経済見通し、米週間石油在庫統計、米5年債入札(700億ドル)などが予定されている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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