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ドル円は再び153円台に下落 PCEデフレータがインフレの落ち着き示す=NY為替概況

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ドル円は再び153円台に下落 PCEデフレータがインフレの落ち着き示す=NY為替概況

 きょうのNY為替市場でドル円は再び売りに押され、一時153円台前半まで下落する場面が見られた。前日までの急激な円買い戻しは後退し、ドル円は一時154円台に戻していたが、FRBが重要視するインフレ指標である6月のPCEデフレータが、予想通りにインフレの落ち着きを示す内容となった。個人支出も公表され、底堅い個人消費が示され、市場は9月のFRBの利下げ期待を変えていない。

 目先の戻りターゲットは155円と思われるが、その水準を回復できなければ、151円台半ばに来ている200日線を再び視野に入れそうな雰囲気は依然続いている。いずれにしろ、来週の重要イベント待ちといったところもありそうだ。来週はFOMC、日銀決定会合、そして米雇用統計が予定されている。今回は特に日銀にスポットが当たっている模様。

 国債購入については、前回の決定会合での言及通りに減額計画を発表してくるものと思われる。向こう数年で購入額を半減させる計画を公表するとの観測も伝わっている。むしろ注目は、利上げの有無であろう。利上げ自体は議論すると思われるが、果たして今回打ち出してくるかは未知数。エコノミストの間では利上げを発表との見方はいまのところ少数派となっている。

 本日は7月の東京都区部の消費者物価指数(CPI)が発表になっていたが、生鮮・エネルギーを除いたコアコア指数は前年比1.5%とインフレの落ち着きが示されていたことや、サービス価格も前年比0.5%と前回から鈍化していた。日銀が急いで利上げをしなければならない状況ではなさそうだ。

 ただ、今回は利上げを見送ったとしても、次回9月実施の可能性を示唆してくる可能性は十分にありそうだ。その場合、教科書的には円高シナリオなのかもしれないが、前日までの急激な円買い戻しは、それらのシナリオを織り込んでの動きで、過度な円ショートポジションは解消されているようにも思われる。

 ユーロドルはNY時間にかけてやや買い戻しが見られ、一時1.0870ドル近辺まで上昇する場面が見られた。ただ、全体的に動意薄の展開で、1.08ドル台での推移が続いている。先週のECB理事会後からの下げは一服しているものの、買い戻しを強める気配までは見られておらず、次の展開を探る動きが続いている。

 本日はECBが月例調査を公表していたが、今後12カ月間の物価上昇率は2.8%と見込まれた。3年先の予想インフレも2.3%と前月と同じ。消費者のインフレ期待も前月から変わらずとなり、1月から続いた鈍化見通しが止まった。ECBの2%目標達成にはまだ壁があることが改めて示されている。

 ポンドドルは底堅い値動きとなったものの、1.28ドル台での狭い範囲での推移が続いた。来週に重要イベントを控える中で、方向感を出せないでいたようだ。来週は英中銀も金融政策委員会(MPC)を予定している。利下げの有無で市場は見方が完全に分かれており、確率は五分五分で見ている状況。

 英大手銀のエコノミストからは、来週の会合で英中銀は0.25%ポイントの利下げを実施し、政策金利を5.00%にすると予想しているが、委員の採決は5対4の僅差になるとの見方が出ている。4人の委員が据え置きを主張し、5人が利下げに賛成するというぎりぎりの採決になると予想している。

 今回利下げを実施したとしても、それは利下げサイクルへの移行というよりも、あくまでこれまでの引き締め政策の縮小という位置づけになるという。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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