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ドル円は160.80円近辺まで上げ幅拡大 神田財務官の発言も一時的な反応に留まる=NY為替概況

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ドル円は160.80円近辺まで上げ幅拡大 神田財務官の発言も一時的な反応に留まる=NY為替概況

 きょうのNY為替市場でドル円は上値追いが加速し、160.80円近辺まで上げ幅を拡大した。本日は円安のほかドル高の動きもドル円を押し上げた。ポイントとして意識された160円を突破し、財務省が春の大型連休時に介入を実施した160円台前半の水準も突破したことから、ストップを巻き込んで買いが加速した模様。

 NY時間に入って神田財務官の発言が伝わり「過度な変動があれば適切な対応取る」と述べていた。「足元の動きは急激」との認識も示していた。ドル円も発言が伝わった瞬間は売りの反応が見られたものの、直ぐに切り返す展開となった。この反応も上げに拍車をかけたのかもしれない。

 FRBの利下げ開始が遠のく中、ドル指数は昨年11月以来の高値水準に上昇。FRBの長期に渡る高金利の姿勢で、他の主要国との金利差に大きな開きを残しており、ドルは年初来の高値に上昇している。

 財務省の介入警戒感が高まりそうな水準に入ってきたが、市場では163円程度まではないのではとの見方も出ているようだ。神田財務官の発言とは裏腹に円安のスピードは前回の介入時ほどは高まっていない。米財務省の監視対象に再び入る中、介入のハードルは高いとも見られているようだ。少なくとも金曜日のPCEデフレータへの反応は確認したいところではある。

 ユーロドルは1.06ドル台に再び下落。ただ、今月の中旬以降、1.0670ドル付近は強いサポートとなっており、本日もその水準でサポートされていた。次第に上値が重くなっているが、日曜日のフランス総選挙の第1回目投票を市場は警戒している。世論調査ではルペン氏率いる右派政党の国民連合(RN)とその同盟勢力が36%の票を獲得すると見られている。一方、左派連合は28.5%、マクロン大統領のグループは21%となっている。

 右派が勢力を増した場合、以前であればフランスのEUやユーロからの離脱が取り沙汰されたが、いまは目標を「EUに留まって内側から改革」へとシフトさせており、それへの心配はない。むしろ、フランスの財政赤字への懸念のほうが大きいと見られている。

 ルペン氏がかねてから表明している計画にエネルギーの付加価値税削減や、マクロン大統領が導入した年金支給開始年齢引き上げ撤回などが盛り込まれ、それは財政赤字をさらに拡大させかねない。フランスの財政赤字はGDP比で5.5%に悪化しており、イタリアに次いで悪い。欧州委員会はEUの規律である3%に違反していると通告しているが、重要過ぎる国であるフランスには一定の裁量を認めてきた。ただ、ここに来てルペン氏とEUが対峙するようであれば、ユーロにとっては圧迫要因となる。

 ポンドドルも売りが強まり、1.26ドル台前半の水準に下落。きょうの下げで100日線も下回った格好。フィボナッチ38.2%戻しの水準もブレイクし、目先は1.2580ドル付近に来ている50%戻しの水準が意識される。

 市場は来週7月4日の英総選挙に注目しているが、世論調査では野党・労働党が勝利し政権交代になる可能性が高まっている。その場合、新首相が誰になるかにかかわらず、ポンドは支持される可能性が高いと見られている。

 しかし、労働党が政権を取れば近隣諸国との関係改善が期待されているようだが、同党のマニフェストではEUへの再加盟を否定しており、単一市場や関税同盟への復帰も公約していない。そのため、ポンドに対する軌道を変えるには不十分で慎重なものになるとも見られている。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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