ドルに対する強気の声 下げても一時的な下げに留まる=NY為替
FRBの長期に渡る高金利のスタンスにより、投資家はドルに対する強気のポジショニングを極端に強めている。それは米経済指標が悪化した場合にドルが急反落する危険性があることを意味する。しかし、昨年の経験則から、そのままドルの下落トレンド入りというよりも、一時的な下げに留まる可能性のほうが高いとの指摘も一部から出ている。ドルの持続的な上昇の可能性の方が強いという。
米大手銀が算出しているポジションを追跡したインデックスによると、ドルの強気度合いは昨年8月に過去最高を記録して以来の高さまで上昇しているという。さらに顕著なのは、他の主要国の通貨すべての弱気度が上昇していることだとも指摘している。
米経済指標が軟調な兆しを見せても、FRBが「利下げに対して辛抱強くいる」というバイアスを大きく崩すことはできないという。前日は比較的ハト派なクックFRB理事でさえ、最初の利下げがいつになるのか非常に不透明だと述べていた。日本が円安を阻止しようと奮闘し、ユーロが政治的苦境に陥っている現在、ドルの強気材料は多い。
ただ、為替市場は度々オーバーシュート気味になるという性質から、米経済指標が持続的に弱くなれば、ドル安に拍車がかかる可能性はある。昨年末の数カ月間にFRBが明らかに軸をハト派に移行し、利下げ観測も急速に高まりドルは下落した。しかし、現在は年初来高値圏にいる。
USD/JPY 160.68 EUR/USD 1.0686 GBP/USD 1.2630
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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執筆者 : MINKABU PRESS
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