【これからの見通し】豪ドルが堅調 米ドルとともに利下げが遠のくグループに
【これからの見通し】豪ドルが堅調 米ドルとともに利下げが遠のくグループに
今日発表された5月豪消費者物価指数の上振れを受けて、豪ドルが堅調に推移している。市場では利上げ観測もみられており、各主要通貨に対して豪ドル買いの動きが目立っている。昨日にはカナダ消費者物価指数が予想外に強い結果だったことでカナダドルが買われていた。豪ドル、カナダドルはともに米ドルといい勝負の底堅さを示してきているようだ。
対するユーロやポンドは引き続き年内の利下げ圧力が高い。ECBはスイス中銀に続いて6月会合で利下げを決定した。きょうはレーン・フィンランド中銀総裁が、データを見るかぎり年内あと2回の利下げが示唆されている、これは妥当な見通しだ、と発言している。英中銀に関しては8月利下げの線が浮上している。また、両通貨とも政治的な不安定さをはらんでおり、注意が必要となっている。
そして、円が弱い地合いとなっている。植田日銀総裁から具体的な利上げ時期などについてのメッセージが発せられず、仮定での話に終始している。副次的な金融政策である国債買い入れ減額についても、直近会合で決断できず次回に持ち越しとなった。今年のパフォーマンスをみると、対ドルでの弱さは人民元やトルコリラに匹敵するものがある。
今後は、各主要通貨間でのクロス取引も活発になってきそうだ。
この後の海外市場で発表される経済指標は、MBA住宅ローン申請指数(06/15 - 06/21)、新築住宅販売件数(5月)などの米経済指標が予定されている程度。
発言イベント関連では、センテノ・ポルトガル中銀総裁、パネッタ伊中銀総裁、レーンECBチーフエコノミスト、カザークス・ラトビア中銀総裁などECB当局者らの発言機会が相次ぐ。米国では、米週間石油在庫統計、米5年債入札(700億ドル)などが予定されている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
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執筆者 : MINKABU PRESS
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