【これからの見通し】米雇用統計とその後の本邦金融当局の対応に注目
【これからの見通し】米雇用統計とその後の本邦金融当局の対応に注目
きょうは東京市場が憲法記念日の祝日で休場となっている。アジア市場では前日の流れを受けて円高が進行している。ドル円は152円台へと安値を広げる動きがみられている。クロス円も同様に下落。
昨日の日銀データによると、1日のマーケットでは約3.5兆円規模の覆面介入実施が示唆された。週明け29日には5.5兆円規模の介入実施が推計されており、連続介入となったようだ。29日には日本の祝日で取引量が細るなかで、円売りが殺到した後のタイミングで円が急騰した。また、1日のNY市場では米FOMCの発表後にドル売り方向に動いた後、円が急騰した。NY終盤の薄商い、かつドル売りにタイミングを合わせた実施とみられる。
介入実施には巨額の資金が投じられることから、効率的なタイミングを探ったとの見方があった。その意味では、きょうの米雇用統計発表後の動向が注目されよう。今週の値動きをみると、円安方向への戻り水準が次第に抑えられてきている。投機筋の短期ポジションを読みながらの行動とみられるが、仮に水準修正が目的であるとすれば、米雇用統計で弱い数字が出た場合でもさらにドル円の水準を押し下げに来る可能性が考えられる。
ただ、投機筋が先回りして短期ポジションを円高に傾けるようだと、介入の効果が半減するリスクがある。当局と投機筋との読み合い合戦となりそうだ。
また、報道によると本日の日本時間午後10時45分に外遊中の鈴木財務相と植田日銀総裁が会見を行うようだ。為替や金融政策に関するコメントが出てくるとは限らないものの、記者からの質問も想定される中で注意しておきたい。NY市場引け後の週末には、グールズビー・シカゴ連銀総裁とウィリアムズNY連銀総裁が討論会に参加する予定。発言内容次第では、週明け相場に影響を与える可能性もありそうだ。
この後の海外市場で発表される経済指標は、フランス鉱工業生産指数(3月)、フランス財政収支(3月)、トルコ消費者物価指数(4月)、ノルウェー中銀政策金利(5月)、香港小売売上高(3月)、英国と米国の非製造業PMI確報値(4月)、米雇用統計(4月)、米ISM非製造業景気指数(4月)などが予定されている。注目の米雇用統計では、非農業部門雇用者数の増加が24万人程度と予想されており、前回の30.3万人からは低下する見込み。失業率は3.8%と前回と同水準の見込み。インフレにとって注目される平均時給は前年比+4.0%と前回の+4.1%からわずかに鈍化する見込み。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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