【これからの見通し】期待感高まる日銀高官発言、円高圧力に ECBは早期利下げ開始のヒントあるか
【これからの見通し】期待感高まる日銀高官発言、円高圧力に ECBは早期利下げ開始のヒントあるか
相場が動き出しそうな気配になってきている。きっかけは日銀高官らの一連の前向きな発言。高田委員に続いて、きょうは中川委員が「日銀物価見通し実現の確度引き続き少しずつ高まっている」との認識を示している。賃金動向については「中小企業のデータもすべて待つとするとおそらく秋以降になる」としており、3月春闘の状況次第ではゴーサインが出る可能性を示唆したようだ。
植田日銀総裁は「物価目標実現見通せれば、大規模緩和の修正を検討」との基本認識を繰り返しているが、「財務への配慮から必要な政策妨げられることない」「物価目標実現の確度、引き続き少しづつ高まっている」と期待感を匂わせる面も。
ドル円は150円台での停滞から下抜けており、149円、148円と大台を塗り替えてきている。
この後の海外市場ではECB理事会の結果が発表される。政策金利については主要3金利が据え置かれることで市場コンセンサスが形成されている。今回はインフレおよび成長などについてのスタッフ・メンバー見通しが公表される。最近のインフレ鈍化傾向が反映されることが見込まれている。メンバーが多数におよぶことから、タカ派・ハト派の情報が交錯するが、インフレ見通しが一つの指針となりそうだ。ラガルド総裁会見を経て、市場の利下げ織り込みがどのように変化するのかを、チェックしたいところだ。
日銀との方向性の差異が鮮明になるようだと、ユーロ売り・円買いが強まる可能性も指摘されよう。
この後の海外市場で発表される経済指標は、スイス失業率(2月)、ドイツ製造業新規受注(1月)、英DMP調査1年インフレ予想(2月)、米チャレンジャー人員削減数(2月)、ECB政策金利(3月)、米貿易収支(1月)、米非農業部門労働生産性指数(確報値)(第4四半期)、米新規失業保険申請件数(02/25 - 03/02)、カナダ住宅建設許可(1月)、カナダ国際商品貿易(1月)など。
発言イベント関連では、ラガルドECB総裁が記者会見、パウエルFRB議長が上院銀行委員会で半期に1度の議会証言、メスター・クリーブランド連銀総裁の経済見通しについての講演やインタビューなどが予定されている。
全般に、かなり見どころの多い一日となりそうだ。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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