ISM指数受けドル円は150円台前半に下落=NY為替概況
ISM指数受けドル円は150円台前半に下落=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル円は150円台前半に下落。この日発表のISM製造業景気指数が予想外に低下したことでドル売りが優勢となり、ドル円も値を落とした。ただ、ドル円は前日の下げを取り戻し150円台を復活させている。
前日は月末絡みの円買いのほか、上昇が警戒されていたPCEデフレータが予想通りだったことで安心感が広がり、ドル売りも加わる形で149円台前半まで一時下落していた。
しかし、状況に変化はなく、PCEデフレータ発表後もFOMC委員からは「年内利下げの可能性はあるものの、もう少し証拠を確認したい」といった、これまでの姿勢を踏襲した発言が相次いでいる。市場も再び手掛かりを探る状態に入っているようで、ドル円もある意味心地よい水準となっている150円台に戻したようだ。
来週はパウエルFRB議長の議会証言や米雇用統計、ECB理事会など重要イベントが目白押しで、本日の為替市場はそれらへの反応を見極めたい雰囲気も強かたようだ。
ユーロドルは1.08ドル台での底堅い展開が見られた。本日の200日線が1.0830ドル付近に来ているが、その水準を堅持しており、上値には依然慎重なものの、下値も底堅い値動きが続いている。
来週はECB理事会が開催され、経済見通しも公表される。この日発表の2月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は予想を上回ったことで、利下げに慎重なECBを支援する内容と見られているが、前回からは伸びが鈍化していた。
来週の理事会では、最初の利下げはいつが適切なのかについての議論が出そうだが、インフレ圧力はユーロ圏各国で大きく異なり、このテーマに関する見解は分かれる可能性も高い。短期金融市場では6月の利下げ開始をほぼ織り込んでいる状況だが、ECBは様子見のスタンスを当面維持する可能性が高いとの見方も出ていた。
ポンドドルは一時1.26ドルちょうど付近まで下落する場面が見られたものの、1.26ドル台半ばに切り返す展開。1.27ドル台は依然強い上値抵抗となっているものの、本日1.26ドル台前半に来ている21日線は維持されている状況。
きょうは英中銀チーフ・エコノミストのピル委員の講演が伝わっていたが、春に総合インフレが急低下し、目標の2%を下回る可能性があるが、誤った安心感に注意する必要があると述べた。利下げに賛成するのはまだ先の話であり、その時が来たとしても、金融政策は制限的であり続け、物価上昇圧力に耐え続けるだろうと述べていた。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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