アジア株 政策金利発表受け上海株は乱高下 1年物LPR予想外の据え置きも、5年物は予想以上の引き下げ
アジア株 政策金利発表受け上海株は乱高下 1年物LPR予想外の据え置きも、5年物は予想以上の引き下げ
東京時間11:07現在
香港ハンセン指数 16135.06(-20.55 -0.13%)
中国上海総合指数 2907.51(-3.03 -0.10%)
台湾加権指数 18737.19(+101.39 +0.54%)
韓国総合株価指数 2645.46(-34.80 -1.30%)
豪ASX200指数 7636.60(-28.50 -0.37%)
アジア株はまちまち。
上海株は0.10%安。
中国人民銀行は20日、事実上の政策金利である最優遇貸出金利(ローンプライムレート)の5年物を4.20%から3.95%に、2019年以来の低水準に引き下げた。市場予想の4.10%以上の利下げ。一方、1年物は予想に反して3.45%に据え置いた。
中国株は1年物LPRの予想外の据え置きに失望、売り優勢で始まり一時0.7%近く下げた。もっとも下げは限定的。住宅ローン金利の基準となる5年物の予想以上の引き下げを受け、当局が低迷している不動産市場に対し、さらなる支援策を打ち出すのではないかとの期待感が広がっている。海南省は19日、初めての住宅購入者に対する頭金比率を引き下げると発表した。
週節中の消費活発化は好感されているものの、不動産不況の長期化懸念は一段と高まっている。連休中の旅行消費は19年のコロナ前の水準を上回ったが、新築住宅販売が前年比27%減少、北京市などの1級都市の中古住宅販売は前年比で3%減少した。香港では4連休中の民間不動産大手10社の販売が初めてゼロだった。
連休明け当局は前向きな支援策を打ち出している。ただ、「小粒」な支援策では中国株の上昇は続かない可能性。きのう連休明けの上海株は1.5%高で取引を終えたが、期待ほどは上昇しなかった。2019年の春節に比べ今年は1日多い8日間の休みだったにもかかわらず、中国連休中の1人当たりの支出は19年と比べ9.5%減少したと試算する金融機関もある。
上海市場ではハイテクや資本財関連が総じて下落。春節消費回復を受け上昇していた消費者サービスや生活必需品関連は利益確定の売りに押されている。一方、エネルギーや公益、医療品の一角は上昇。5年物LPR引き下げを好感して不動産の一角も買われている。
香港株は続落。ハイテクや自動車、医療品関連が下落。カジノやアパレル、百貨店、旅行など春節関連は利益確定の売りに押されている。
執筆者 : MINKABU PRESS
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