ドル円、一時150.65円付近まで上昇 米PPIが米インフレの粘着性示す=NY為替序盤
きょうのドル円はNY時間に入って買い戻しが加速しており、一時150.65円付近まで上昇している。NY時間に入って発表になった米生産者物価指数(PPI)が予想を上回ったことでドルの買い戻しが強まっており、ドル円を押し上げている。
米PPIは、総合指数で前月比0.3%、コア指数で0.5%と、先日の米消費者物価指数(CPI)に引き続き予想を上回る内容となり、インフレの粘着性を浮き彫りにした。FRBの早期利下げ期待も一層後退させている。この結果を受けて短期金融市場では今年のFRBの累計の利下げを1.00%ポイント以下で織り込み始めている。2週間前までは1.50%ポイントで織り込んでいた。
東京時間に、日銀が今後数カ月でマイナス金利を解除する方向だと伝わった。ロイター通信が日銀の考えに詳しい関係者の話をもとに伝えていた。日本経済のリセッション(景気後退)入りにもかかわらず、日銀はマイナス金利解除の方向で考えているという。GDPは日銀が見ている多くのデータポイントの1つに過ぎないという。
特に、ドル円への影響は限定的だったと思われるが、現状の日本のインフレ水準から、日銀がマイナス金利を継続しておく必要性はない。ただ、マイナス金利解除後に、これまでの米欧のように積極的に翌日物の誘導目標を引き上げて行く環境にあるかは疑問も多いようだ。消費者物価指数(CPI)を1%超上回る賃金上昇率が続けば別かもしれないが。
なお、日本時間0時のNYカットでのオプションの期日到来は150円に観測。
16日(金)
150.00 (19.1億ドル)
20日(火)
150.50 (12.4億ドル)
USD/JPY 150.59
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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