ドル円は下に往って来い ラガルド会見でユーロは売り優勢=NY為替概況
ドル円は下に往って来い ラガルド会見でユーロは売り優勢=NY為替概況
きょうのNY為替市場でドル円は下に往って来いの展開となった。この日発表の第4四半期の米GDP速報値を受けて、ドル円は米国債利回りの低下と伴に売りの反応が見られていた。米GDP速報値は前期比年率換算で3.3%と予想を上回った。個人消費も2.8%増と予想を上回り、GDPに貢献。一方、デフレータは1.5%と予想を下回り、PCEコアデフレータは2.0%と予想と一致した。成長は予想以上に好調なものの、インフレは落ち着きつつあり、ソフトランディングシナリオに沿った内容となっている。
短期金融市場では利下げ期待を若干上昇させ、3月までの利下げ開始を47%、5月までで88%に確率を上昇させている。本日のドル円の100日線は147.45円付近に来ているおり、その水準を一旦下回る展開が見られていたが、戻している。ECB理事会後のラガルド総裁の会見を受けてユーロドルが売られており、それがドル買いに繋がり、ドル円の下値をサポートしているようだ。いずれにしろ100日線を挟んでの展開に変化はない。
ユーロドルは売りが優勢となり、一時1.08ドル台前半まで下落。この日のECB理事会後のラガルド総裁の会見を受けて、市場は利下げ期待を高めており、ユーロ売りに繋がっている。総裁は「データは短期的な弱さを示唆。雇用需要は減速している。12月のインフレの反発は予想よりも弱かった」などと述べている。また、ダボス会議での夏以降の利下げの可能性との自身の発言を再確認したが、利下げはまだ議論されていないとも強調していた。
これらを受けて、市場は利下げ期待を高めており、短期金融市場では4月の利下げ開始を88%まで高めている。ただ、6月利下げ開始の方が有力視されており、6月までの0.50%の利下げを完全に織り込んでいる。その場合、大幅利下げの可能性もあることを意味するが、利下げは利上げと違い、緩やかなサイクルで実施との見方が有力。
ポンドドルは1.26ドル台に値を落とした。ただ、下押す動きまでは見られず、21日線を挟んでの方向感のない展開は継続している。米大手銀のストラテジストは、英中銀はFRBやECBよりもインフレ抑制で難しい課題に直面していると指摘している。英経済はEU離脱、労働者の病気増加、サプライチェーンの混乱などの要因によって、より大きなインフレ問題を抱えているという。
英中銀は主要中銀の中で最後に利下げサイクルを開始することになり、少なくともECBと比較すると、その動きは遅くなる可能性が高いという。同ストラテジストは、英中銀は8月に利下げを開始し、そこから四半期ごとに0.25%ポイントずつ利下げを進めると予想している。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。