ポンドドル、2017年以来のパフォーマンス 来年は不安視も=NY為替
きょうのポンドドルは方向感のない展開が続き、1.27ドル台で上下動している。12月の英住宅価格が発表になっていたが、前年比1.8%の低下となっていた。しかし、年初には急低下が警戒されていた割には小幅な低下に留まっている。
今年のポンドは2017年以来最高の年間パフォーマンスとなったが、来年については軟調な展開を見込む向きもいるようだ。理由は景気後退懸念。英消費者は来年に向けて財布の紐を固く締める傾向が強まっており、景気後退に転じる懸念が再燃している。KPMGの調査によると、インフレが9カ月連続で低下または横ばいを続けている一方で、消費者の41%が22年末よりも経済的な安全性は低いと感じていると回答。また、別のカードのデータによると、物価が上昇し続けているにもかかわらず、今年のカード利用額は僅か4.1%増と、1年前の10.6%増の半分以下となっており、家計が衣料品、外食、住宅改修を控えたことを示している。
これらの報告は英経済が今年後半に景気後退に陥った可能性を裏付けているという。来年の英経済は急激な景気後退は回避され、年後半には好転の可能性もあるが、いまのところ消費者は長年に渡る購買力の低下に頭を痛めている様子がうかがえる。住宅ローン金利や家賃上昇に悩まされる世帯が増えるにつれて、裁量消費を削減する消費者が増えており、これは企業にとっても利益が圧迫され、金利が高止まりしていることもあり、引き続き困難な状況が警戒される。
GBP/USD 1.2742 GBP/JPY 179.59 EUR/GBP 0.8672
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。