ドル円は一時150円割れ 米国債利回り低下で戻り売り続く 下値では押し目買い意欲も=NY為替概況
ドル円は一時150円割れ 米国債利回り低下で戻り売り続く 下値では押し目買い意欲も=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル円は後半に150円台半ばまで買い戻されたものの、前半には戻り売りが加速し、一時150円を割り込む場面も見られた。本日も前日からの流れを引き継ぎ、米国債利回りが低下し、ドル円も戻り売りを強めた。前日に米財務省が発表した来週の四半期定例入札の規模が予想を下回ったことや、FOMCは大方の予想通りではあったものの、米国債利回りが低下の反応を見せ、ドル売りを誘発している。
FOMCについては追加利上げの可能性は残したものの、これまでの利上げと足元の利回り上昇の影響を確認したいムードも滲ませていた。短期金融市場では12月の追加利上げはないと見ており、80%の確率で据え置きを予想している状況。
ただ、ドル円の上値期待は根強く、150円割れでは押し目買いも活発に出るようだ。FRBの利上げサイクル終了への期待は高まっているものの、ドル円が本格的に下げトレンドに転じるにはFRBの利下げ期待が台頭する必要があるとの指摘も出ている。しかし、それについてはパウエル議長も完全に否定しており、しばらくは無さそうだ。一方の日銀は緩和解除に向けて舵を切り始めているが、かなり緩やかな解除も予想される中で、当面は日米の利回り格差は期待ほど縮小しないとの見方が根強い。
ユーロドルは一旦1.0665ドル付近まで上昇していたものの、1.06ドル台前半に伸び悩んだ。ユーロ自体に材料はなく、専らドルの動きに左右される状況が続いている。本日の上げで21日線の上に再び浮上しているものの、上値の重い雰囲気に変化はない。
ユーロドルは10月以降、底堅さを見せ始めてはいるものの、本格的にリバウンド相場を試そうという雰囲気はない。主要国の中銀の中でECBが最も利下げに近いとも見られており、積極的にユーロの買い戻しを試そうという雰囲気にはまだなれないようだ。
ポンドドルは1.22ドル付近で上下動。21日線の上に浮上しているものの、10月12日以降の上値抵抗ラインはしっかりと機能しており、本格的なリバウンド相場入りの気配はない。
本日は英中銀金融政策委員会(MPC)の結果が発表され、予想通りに金利を据え置いてきた。英中銀は成長見通しも下方修正しており、なお追加利上げの可能性は保持しているものの、市場では英中銀の利上げサイクルは終了との見方が強まっている。むしろ、英中銀は市場が利下げ期待を抱くことを強くけん制しているようで、ベイリー総裁は会見で「利下げについて考えるのはあまりに時期尚早」と語っていた。
実際、鈍化傾向を見せているとはいえ、英インフレは6%台で推移している。英中銀が気にしているサービスインフレに至ってはまだ7%に近い。目標である2%の遥か上で推移する中で、現時点での利下げの考えは皆無ということのようだ。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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