ドル安・円安でドル円は149円台半ばで膠着=NY為替概況
ドル安・円安でドル円は149円台半ばで膠着=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル売りが優勢となっている一方で円安の動きも見られ、ドル円は149円台半ばでの膠着した展開が続いた。中東情勢は依然として混迷を続けているものの、米株式市場が大幅高となっており、先週のリスク回避の雰囲気は一服している。そのような中で、先週のドル高・円高からドル安・円安の動きに変化しているが、同方向であることから、ドル円は方向感が出づらくなっている模様。
今週はパウエルFRB議長の講演が予定されている。FOMC委員は今週の土曜日以降、再来週のFOMCに向けて発言を控えるブラックアウト期間に入るが、その前のパウエル議長の講演となる。ただ、先週のインフレ関連指標はインフレの粘着性を示す内容となったが、市場では早期の追加利上げ期待を強める展開までは見られていない。
市場は次回FOMCでの据え置きをほぼ確実視し、12月FOMCで追加利上げがあるかどうかといったところ。短期金融市場では12月利上げの可能性を35%程度で見ている状況。
市場の関心は、金利よりも地政学リスクや、今週から発表が本格化する米企業決算に移っている模様。
ユーロドルは買い戻しが優勢となり、1.05ドル台半ばに戻している。FRBの金利動向を材料にしたドル買いの勢いは短期的に衰えるかもしれないとの声も出ている。投資家がドルの更なる上値追いに躊躇し始めており、ドル高の勢いも緩和しているという。
FRB高官が慎重なスタンスを垣間見せる中で、短期的にドルは勢いを失う可能性があるとしている。地政学的な懸念による質への逃避でドルがあまり上昇していないのは、多くの点で意外だった。強い米雇用統計、先週のインフレの粘着性を示したデータをもってしてもドルが上昇できなかったことがその表れだと指摘している。
ポンドドルも買い戻しが出ており、1.22ドルちょうど付近まで上昇。本日の21日線が1.2220ドル付近に来ており、その水準まで戻せるか目先は注目される。ただ、きょうは株高もあり、警戒感は一服しているものの、中東情勢を巡る緊張は続いており、ポンドドルは上値に慎重な雰囲気が続いている。
今週はポンド関連のイベントが目白押しで、明日火曜日と水曜日にそれぞれ発表される英賃金上昇率と英消費者物価指数(CPI)のデータは注目となる。上方サプライズがあれば、ポンドは特に対ユーロで買いが強まる可能性も指摘されているようだ。
なお、英国家統計局はILO失業率や失業保険申請件数は10月24日(火)に発表を延期すると発表。一部家計調査の回答率低下により、指標作成を複雑にしていることが理由としている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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