ドル円は148円台半ばに下落 中東情勢の緊迫化もFRB幹部の発言でドル売り=NY為替概況
ドル円は148円台半ばに下落 中東情勢の緊迫化もFRB幹部の発言でドル売り=NY為替概況
きょうの為替市場はNY時間に入ってドル売りが優勢となり、ドル円は148円台半ばに下落。本日のNY為替市場はコロンブスデーで銀行休業日のため、参加者は少ない。そのような中で、ロンドン時間にはハマスによるイスラエルへの大規模攻撃で1100人以上が死亡したと伝わり、リスク回避のドル買いが見られていた。
しかし、NY時間に入ってジェファーソンFRB副議長やローガン・ダラス連銀総裁の発言が伝わり、これまでよりも慎重さを滲ませた内容となっていたことから、ドルは戻り売りが強まった。
市場参加者が少なく薄商いの中で敏感に反応している可能性はありそうだ。また、先週の米雇用統計を受けてもFRBの利上げ期待が高まっていないことも、ドルの戻り売りを誘っているのかもしれない。短期金融市場では11月FOMCでの据え置きの確率を85%、12月FOMCまででは74%で織り込む動きを見せている。
ユーロドルはロンドン時間に1.05ドル台前半に下落していたが、NY時間に入って1.0570ドル付近まで買い戻された。ただ、先週は強い米雇用統計にもかかわらず、1.06ドルちょうど付近まで買い戻されていたが、本日1.0610ドルに来ている21日線に到達することなく失速している格好。
きょうは8月のドイツ鉱工業生産が発表になり、前月比で4カ月連続の減少を記録した。9月分がよほど増加しない限り、7-9月期(第3四半期)のドイツ経済はマイナス成長となり、2023年のドイツ経済は景気後退に陥る可能性が高まっている。
現在、短期金融市場ではECBの追加利上げ期待は完全に後退しており、逆に来年の早期利下げ観測が高まっている状況。
ポンドドルもNY時間に入って買い戻しが膨らみ、1.22ドル台に戻した。中東情勢の緊迫化で一時1.2170ドル付近に下落する場面も見られた。
ここ数日、買い戻しも見られるポンドドルだが、年初来安値1.1805ドルへの下落を回避するだけでなく、1.23ドルへ戻るためにはドル安が必要だとの指摘が出ている。ただ、現状はその可能性が見えない。
今週はベイリー英中銀総裁の講演を含め、英国で予定されている指標やイベントでポンドがボラティリティにさらに晒される可能性があるとの指摘も出ている。その中でも野党労働党の党大会は重要な鍵になるという。与党保守党の党大会はメイ元首相が高速鉄道建設計画を縮小を提案し物議を醸した。投資家は、低迷する英株式市場への関心を復活させる方法について、労働党のアイデアに耳を傾ける用意ができているという。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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