ドル円は147円台後半 原油高で米国債利回り上昇 FOMCのタカ派姿勢への警戒も=NY為替概況
ドル円は147円台後半 原油高で米国債利回り上昇 FOMCのタカ派姿勢への警戒も=NY為替概況
きょうもNY為替市場は明日のFOMCの結果発表を控えて全体的に様子見の雰囲気が続いている中で、ドル円はNY時間に入って147円台後半に上昇した。原油相場の高騰が続いており、WTIは93ドル台後半まで一時上昇した。これに伴って米国債利回りも上昇し、ドル円をサポートしている模様。明日のFOMCでタカ派色が強まるのではとの見方もドル円をサポートしているようだ。
金利については据え置きが確実視されているが、注目はFOMC委員の金利見通し(ドット・プロット)や経済見通しで、それがタカ派な雰囲気を強めるかに注目している。特に2024年の金利見通しについて、市場では利下げを織り込む動きも見られているが、据え置きが示唆されるような内容になれば、タカ派ムードは一層強まる。なお、6月FOMCのドット・プロットで、FOMCメンバーの来年の金利見通しの中央値は4.50-4.75%までの利下げを見込んでいた。
ユーロドルは一旦1.0720ドル付近まで買い戻されていたものの、原油高と米国債利回りの上昇が続く中で、NY時間に入って1.06ドル台に戻した。基本的にユーロに強気な見方はなく、7月中旬以降の下げトレンドがしばらく続くとの見方が根強い。
ユーロドルのバイアスは弱気を継続しているとの指摘が出ている。テクニカル的に直近高値の1.0770ドルを下回る水準で弱気な状態が続いているという。
この2日間は5月安値付近でサポートを見つけ、買戻しも見られているものの、日足チャートは依然として明確な下落トレンドの中にある。FOMC後のドル高リスクは、ボラティリティが低い中で、上値での戻り待ちの売りを狙うショート勢にアピールする可能性があるとも述べた。目先は3月安値1.0515ドル付近、そして、1月に付けた年初来安値1.0485ドル付近が意識されるとしている。
ポンドドルは依然として上値が重く、1.23ドル台での推移が続いた。本日は1.24ドル台前半に上昇する場面も見られたものの、200日線が控える1.2435ドル付近には慎重だったようだ。
市場は明日のFOMCの結果発表に注目しているが、今週は木曜日に英中銀の金融政策委員会(MPC)もあり、ポンドにとっては最注目となる。市場は0.25%ポイントの利上げを確実視しているものの、英経済の先行きに不透明感が台頭する中で、11月以降の利上げについては慎重なスタンスを示すのではとの見方も出ているようだ。
一方、木曜日の金利決定と同時に、10月からの12カ月間の英国債売却の規模を増額を発表する可能性が高いとの指摘が出ている。英中銀は昨年10月からの1年間で英国債を800億ポンド縮小するとしていたが、その売却ペースは遅く、英国債の保有残高は1年前に比べて約7%しか縮小していない状況。英国債の売却をさらに加速させることで、より正常化した金融政策に向けて前進を続け、バランスシートに将来の危機に備えた余力を確保するのではと見られている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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