ユーロ売り主導、欧州景気への不透明感で ドル円は145円台後半揉み合い=ロンドン為替概況
ユーロ売り主導、欧州景気への不透明感で ドル円は145円台後半揉み合い=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ユーロ売り主導の展開。シュナーベルECB理事が「経済活動は明確に鈍化している、成長見通しは6月の予測より弱い」と発言したことに反応した。一方で、インフレについては「基調的な物価圧力は引き続き頑固に高い」と発言している。また、ホルツマン・オーストリア中銀総裁からは「金利はまだピーク水準に達していない、あと1、2回の利上げの公算も」とインフレ高止まりを警戒したタカ派らしい発言があった。ユーロ圏消費者物価速報は前年比+5.3%と前回と同水準も市場予想は上回った。コア前年比は+5.3%と前回の+5.5%から鈍化、市場予想と一致した。インフレ自体は高止まりしており、ユーロ売り反応欧州景気に対する不透明感の面が強かったようだ。市場の9月理事会での利上げ観測はやや低下している。ユーロドルは1.09台前半から1.08台後半へユーロ円は159円台半ばから158円台半ばへと下落。対ポンドでもユーロは軟調。全般的にドル買いや円買いの動きが広がり、ポンドドルは1.27台割れ、ポンド円は一時185円台割れへと軟化。その中で、ドル円は146円付近から145.70台までの揉み合いが続いている。ドル円はこの後の米PCEデフレータなどの結果待ちとなっているようだ。
ドル円は145円台後半での取引。東京市場で146円台割れへと軟化した後、ロンドン序盤には145.72近辺まで安値を広げた。ただ、その後はユーロ相場主導の展開となるなかで、ドル買いと円買いに挟まれて身動きができない状況となっている。このあとの米経済指標発表待ちとなっている。
ユーロドルは1.08台後半での取引。シュナーベルECB理事の成長見通し引き下げ示唆で売られている。1.09台を割り込むと安値を1.0863近辺に広げ、その後も安値付近を離れず。ホルツマン・オーストリア中銀総裁のタカ派発言にも反応せず。ユーロ円は159円台半ばから158円台半ばへと下落している。対ポンドでもユーロ売りが優勢。8月ユーロ圏消費者物価速報は前年比+5.3%と前回並み水準にとどまり、予想を上回った。
ポンドドルは1.26台後半での取引。ユーロドルの下げにつれて1.27台割れから安値を1.2672近辺に広げている。ポンド円は185円台後半から185円台割れとなり、安値を184.87近辺に広げている。ユーロポンドは0.8580台から0.8560台まで下落。ユーロ売りが優勢となっている。ピル英中銀チーフエコノミストはインフレが高すぎる点を繰り返したが、きょうはポンドは買われていない。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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