パウエル議長講演後乱高下を経てドル高円安=NY為替概況
パウエル議長講演後乱高下を経てドル高円安=NY為替概況
ジャクソンホール会議が開催されており、要人発言が相次いだ。特に注目を集めたのは基調講演となるパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)総裁の講演。議長は必要であれば追加的な引き締めの準備があると発言したことで、すぐにドル高となったが、今後については慎重な姿勢も一方で示し、今後についてはデータ次第との姿勢を堅持した。ドルはすぐに反落する動き。ドル円は146円10銭台で講演を迎え、146円30銭を付けた後、145円70銭台まで急落した。米10年債利回りが4.25%台から4.2%を割り込むなどの動きを見せており、ユーロドルが1.0800台から1.08割れを付けた後1.0842まで、ポンドドルが1.2580台から1.2650台まで上昇するなど、ドルは全面安となった。
しかし、この動きも続かず、すぐにドル高となった。議長の発言は基本的に物価高への対応姿勢を示すものとなっており、2%到達には成長トレンドを下回る必要、雇用も少し緩む必要などの発言が見られていた。米10年債利回りが4.28%台まで大きく反発する中で、ドル高が強まり、ドル円は今月付けた従来の年初来高値146円56銭を超えて146円63銭まで上昇。ユーロドルが1.0766まで、ポンドドルが1.2548までのドル高となっている。
その後はドル高にも調整が入った。週末を前にしたポジション調整と見られ、NY市場午後のドル円は146円台前半推移、その他通貨もドルが少し売られてもみ合った。米債利回りの上昇も収まり、10年債利回りはパウエル講演前の水準となった。
米株が序盤にいったんマイナス圏となったものの、その後、買いが強まったことなどを受けてクロス円は基本的にしっかり。ユーロ円は158円25銭までと、ロンドン午前の安値から1円超の上昇。ポンド円なども買いが目立った。
MINKABU PRESS 山岡和雅
執筆者 : MINKABU PRESS
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