ドル円は一時139円台まで買い戻し 短期的な値ごろ感の買い=NY為替概況
ドル円は一時139円台まで買い戻し 短期的な値ごろ感の買い=NY為替概況
きょうのドル円はNY時間にかけて買い戻しが強まり、一時139円台まで戻される場面が見られた。この日発表のミシガン大消費者信頼感指数が予想以上に強い内容となったことでドル買いが強まっている。本日は東京時間に137円台前半まで下落し、200日線に顔合わせしていたが、今週のあまりの急激な下げに、短期的な値ごろ感も出ているものと思われる。
ドル円は先週後半から、米雇用統計、米消費者物価指数(CPI)などのイベントを経て、短期間に700ポイント超急落している。始めは円キャリー取引の巻き戻しが中心だったが、米CPIを受けて今度はドル売りが広がり、ドル円を押し下げている。
さすがに買戻しが入ってもおかしくはないものの、今回の急落で上値へのモメンタムが一旦喪失しており、戻り待ちの売りも多そうだ。
目先は137.10円付近に来ている200日線が下値メドとして意識されるものの、そこをブレイクすれば、1月からの上昇波のフィボナッチ50%戻しの水準である136円台前半の水準が視野に入りそうだ。
ユーロドルは上値追いの動きを継続している。一時1.12ドル台半ばまで上昇し、昨年2月以来の高値を更新した。今週は米消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)が米インフレの鈍化を示唆し、FRBの追加利上げへの期待も薄れている。米国とユーロ圏の金利差が縮小し、ユーロドルの支援材料となっている模様。
次のハードルは1.1280ドルが意識されているようだが、ここからの更に力強い上昇は期待できないとの指摘もアナリストから出ている。同アナリストのモデルによると、現在のユーロドルの水準は短期的に約2%割高で、市場要因で説明できる範囲を超えたシグナルが出ているという。そのため、短期的に1.1170ドルまで調整の可能性があると説明している。
きょうのポンドドルは上げが一服したものの、ドルが軟調に推移する中、高値圏での底堅い値動きを続けている。一時1.31ドルを割り込む場面も見られたが、下押しする動きまでは見せていない。市場はFRBやECB以上に英中銀の利上げ期待を高めており、次回8月始めの英中銀金融政策委員会(MPC)での0.50%ポイントの大幅利上げを75%以上織り込む動きが続いている。
来週は英消費者物価指数(CPI)の発表が19日に予定されており、内容次第では、利上げ期待までは変わらないものの、上げ幅については期待が修正される可能性もある。いまのところ、英CPIの予想は総合指数で前年比8.2%が見込まれている。前回の8.7%からは伸び鈍化が見込まれているものの、それでもかなり高い水準ではある。また、英中銀が特に注視しているサービスインフレは7.4%から7.2%に緩和すると見られている。それでも長期平均の3.3%を大幅に上回る水準。
予想範囲内であれば、英中銀は2回連続で大幅利上げを選択する可能性が高いものと思われている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。