【これからの見通し】先週の米雇用統計終えて、今週は米消費者物価に注目
【これからの見通し】先週の米雇用統計終えて、今週は米消費者物価に注目
週明けはドル円が反発。先週末の下落に対する調整で取引を開始している。先週末の米雇用統計では非農業部門雇用者数の増加が20.9万人増と予想を下回ったことがドル売りの動きを強めた。ただ、内容的にはどうか。失業率は前回の3.7%から3.6%へと低下、平均時給は前月比+0.4%、前年比+4.4%の高水準を維持した。雇用増の水準についても20万人増ならはこれまでの平均的な水準からして及第点だとの論調まででていた。
東京市場ではドル円が142円付近から143円付近まで一時上昇。ユーロドルは1.09台後半から半ばへ、ポンドドルは1.28台前半から1.28ちょうど付近へと軟化。全般的にドル買いが優勢となっている。ただ、株式市場が軟調に推移していることで、足元ではドル円やクロス円の上値が重くなっており、円高の動きが目立ってきている状況。
今週は12日に6月米消費者物価指数が発表される。市場では一段と伸びが鈍化する予想が広がっている。前年比は4.0%から3.1%へ、コア前年比は5.3%から5.0%に低下する見込み。ただ、市場ではインフレがピークアウトしたこと自体は織り込み済みとなっており、焦点は2%目標に戻すまでにどれくらいの期間がかかるのかに移行しているようだ。パウエルFRB議長は年内の利下げ開始について明確に否定している。市場のインフレ鈍化に対する反応は依然ほどではなくなってきているようだ。
英国やユーロ圏でのしつこいコアインフレが問題視されるなかで、相対的にドル売り圧力が優勢となる傾向がありそうだ。あとは、日銀のYCC修正に関する市場の思惑にも気を配ってゆきたい。大規模緩和継続の基本姿勢は明確なのだが、海外勢はどうしても緩和修正の材料を探したがる面があるようだ。先週末は内田日銀副総裁のYCCの修正について、金融仲介や市場機能に配慮しつつ、いかにうまく金融緩和を継続するかという観点から「バランスをとって判断していきたい」と述べたとの報道が注目される場面があった。
この後のマーケットでは株安の円相場に与えるインパクトを見定めつつ、ドル売り圧力が再燃するのかどうかを注目したいところだ。
経済指標の発表予定は、トルコ失業率(5月)、カナダ住宅建設許可(5月)、米卸売在庫(確報値)(5月)、米卸売売上高(5月)、米消費者信用残高(5月)などが発表される。
発言イベント関連では、バーFRB副議長、メスター・クリーブランド連銀総裁、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁、ボスティック・アトランタ連銀総裁など米金融当局者の発言予定が多め。その他には、ベイリー英中銀総裁、ヘロドトゥ・キプロス中銀総裁、ナーゲル独連銀総裁などの講演が予定されている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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