リスク警戒の円買い広がる、各国の非製造業PMI悪化で景気減速を警戒=ロンドン為替概況
リスク警戒の円買い広がる、各国の非製造業PMI悪化で景気減速を警戒=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、リスク警戒の円買いが広がっている。東京時間に発表された中国財新非製造業PMIに続いて、欧州時間にはスウェーデン、スペイン、イタリアなどの非製造業PMIが悪化した。ユーロ圏非製造業PMI確報値も下方改定されている。特に、欧州では中銀の利上げ観測が根強いことが消費抑制、景気減速への警戒感を広げているもよう。ナーゲル独連銀総裁は追加利上げの必要性を繰り返した。一方で、ECB消費者インフレ期待は前回から低下している。ビスコ伊中銀総裁は、イタリアのGDP回復は鈍化しているとして、利上げに慎重な姿勢を示した。市場では次第に利上げ継続の負の面が意識されてきている印象。ドル円144.70台まで買われていたが、ロンドン時間に入ると売りに転じて、安値を144.20付近に広げた。ユーロ円は157.70台まで買いが先行も、一連のPMIの悪化で反転下落、安値を156.80近辺に更新。ポンド円は184円付近までの買いで上値を止められると、183.15近辺まで安値を広げた。リスク動向に敏感な豪ドル、NZドル、カナダドルなども円買い圧力を受けて下落した。ドル相場はややドル買いが優勢だが、ユーロドルは1.08台後半から1.09台乗せでの振幅。ポンドドルは1.27台割れから1.27台前半での振幅。神経質な値動きも方向性には欠けている。円相場主導の展開となっている。
ドル円は144円台前半での取引。東京市場での買いの流れを受けて、ロンドン朝方には144.70付近に高値を伸ばした。しかし、一連の欧州PMIが悪化したことで欧州株も軟化、リスク回避圧力を受けて144.20付近に安値を広げている。
ユーロドルは1.08台後半での取引。東京午後の1.08台後半での揉み合いから上放れると一時1.0908近辺まで買われた。独連銀総裁のタカ派発言に反応した面もあったようだ。しかし、一連の欧州PMIの悪化を受けて反落し、安値を1.0865付近に広げた。その後は1.08台後半で売買が交錯している。ユーロ円は157.70台まで買われたあと、156.80割れ水準まで急反落。その後も157円台前半では上値を抑えられている。対ポンドではややユーロ買いの動きだが、売買は交錯している。
ポンドドルは1.27付近での取引。朝方に1.2722近辺まで小幅に高値を伸ばしたが、買いは続かず1.2696近辺まで反落。その後はレンジ内で売買が交錯している。ポンド円は朝方に184.01近辺まで高値を伸ばしたが、その後は売りに押される展開。足元では安値を183.15近辺へと広げている。ユーロポンドは0.8550台から0.8570台での上下動。やや買いが優勢になっている。英PMI確報値は速報値から変わらずと、欧州よりも底堅い結果だったが、目立ったポンド買いは見られなかった。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。