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為替相場まとめ5月8日から5月12日の週

為替 

 8日からの週は、ドル買いと円買いが交錯した。米消費者物価指数、同生産者物価指数の伸び鈍化が示されたことで、発表直後にはドル売りが入る場面があった。ただ、米金融不安が根強いなかで、さらに米政府の債務上限問題がクローズアップされたことで、市場全般にリスク回避の圧力がかかった。円買いとともにドル買いの圧力が広がっている。ドル円は135円台から一時133円台に下落。ユーロドルは1.10台から1.09台へ、ポンドドルは1.26台から1.25台へと下押しされている。英中銀は市場の想定通り政策金利を25bp引き上げて4.50%とした。23-24年の経済成長見通しを大幅に引き上げるとともに、インフレ見通しも引き上げられた。今後の追加利上げの可能性が示唆された。ECB消費者インフレ期待調査でもインフレ見通しが引き上げられた。英欧の利上げ継続が長期化するとの観測がリスク回避圧力となった面も指摘された。インフレ期待の低下を受けたNZドル売りや、ロシアに対する武器提供を米国に批判されている南アのランドが売られた。特に南アランドは対ドルで連日の最安値更新となっており、側面からドル高圧力につながる面もあった。週末には米インフレ期待の高まりで再びドル買いが入って取引を終えた。ドル円は135円台後半、ユーロドルは1.08台、ポンドドルは1.24台へとドル高が進行した。


(8日)
 東京市場で、ドル円は135円を挟んだ振幅。週明けの朝方には買いが先行、先週末の高値を上回る135.30近辺まで買われた。その後は、売りに転じて134.60台まで反落。先週末の強い米雇用統計を受けたドル買いは一服。ロンドン市場が英チャールズ国王戴冠式関連での祝日で休場となっており、取引参加者が少なくなることもあり、いったんポジション整理が広がった形。ユーロ円も149.09近辺まで買われたあとは148円台後半に軟化して揉み合いに。ユーロドルは朝のドル高で1.1010台を付けたが、その後1.1040台まで上昇。1.10台での推移が続く中、盛り上がりに欠けるものの、ややしっかりという印象。

 ロンドン市場は、ドル安の動き。先週末の米雇用統計が雇用増、失業率低下と予想外の強い結果内容となったことで、米景気後退懸念が緩和され、米株や欧州株が大幅高となった経緯がある。週明けのロンドン時間でも欧州株や米株先物が小高く推移し、先週末からの高値圏を維持。米債利回りが上昇、原油先物が上昇とリスク選好パターンの相場展開に。ユーロドルは1.1050台に高値を伸ばしたあと、いったん調整売りが入ったが再び1.1050付近へと上昇。ポンドドルは1.2650付近からやや下押しされたあと1.2670付近へと高値を更新。リスク動向に敏感な豪ドル/ドルは0.6790台、NZドル/ドルは0.6350付近へと高値を伸ばす動き。NY原油先物が時間外取引で73ドル台乗せへと上伸しており、ドルカナダは1.3330台へとドル売り・カナダドル買いに。今週水曜日の米消費者物価指数発表まで米経済統計の手がかりには欠けている。
 
 NY市場は、方向性に欠ける値動き。ドル円は135円を挟んで上下動しており、方向感がない。午後になってFRBが第1四半期の銀行融資担当者調査を公表しており、信用状況がタイト化しているほか、法人からの融資需要も軟化していると発表したことで、ややリスク回避の雰囲気も出ていた。ユーロドルはNY時間に入って伸び悩む動きが見られているものの、1.10台は維持。ポンドドルは、チャールズ英国王戴冠式の振替休日で英国勢は祝日となっている中、上値追いの動きが続いており、1.2670付近まで一時上昇した。今週は英中銀金融政策委員会(MPC)が予定されているが、直近の英経済指標が予想外の回復力を示していることから、25bpの追加利上げが確実視されている。ただ、2名のハト派な委員からは反対票が投じられる可能性もあり、採決は7対2での決定になるのではとの見方も出ている。

(9日)
 東京市場では、前日から引き続きドル円が135円挟みで振幅。朝方に135.32近辺まで上昇。先週末の米雇用統計後の高値をわずかに更新した。その後は調整に押されて134.84近辺まで反落した。明日の米消費者物価指数(CPI)を前に135円台を買い上げる動きにはやや慎重姿勢が見られる。 ユーロドルは朝方1.10台を割り込むと、その後は1.0990を挟んでの推移が続いた。ユーロ円は朝方のドル円の上昇で148.69近辺まで買われたが、対ドルでのユーロの重さもあり148.20台まで値を落とした。豪ドル/ドルは0.6780、ポンドドルは1.2610を挟んでの推移と、落ち着いた動きとなった。

 ロンドン市場は、調整ムードが広がっている。NY原油先物が72ドル台へと反落、欧州株や米株先物・時間外取引が軟調に推移、米10年債利回りが3.51%台から3.47%台へ低下。明日の米消費者物価指数の発表を控えてポジション調整が入る格好。為替市場はやや円高、ドル高に振れている。ドル円は一時134.72近辺まで軟化。ユーロ円は一時148円台割れ、ポンド円も一時169.80台まで下押しされた。リスク動向に敏感な豪ドル円は91円台後半からロンドン序盤には91.10近辺まで下落。ユーロドルは1.10付近で上値を抑えられており、1.0970-80レベルで底這い状態。ポンドドルは1.26台前半から一時1.26台割れとなる場面があった。豪ドル/ドルは0.67台後半で上値重く推移している。この日は一連のECB当局者の発言が報じられているが、いずれもインフレ目標に戻すために追加利上げが必要との主旨の内容だった。レーンECBチーフエコノミストは、インフレ2%目標に戻すためには金利が主要な手段となる、と述べた。

 NY市場で、ドル円は135円を挟む上下動。先週はFOMCや米地銀問題などで下値警戒感が強まったものの、週末の米雇用統計を受けて一気に買戻しが膨らんだ。ただ、更なる上値追いには慎重な雰囲気もあり、様子見気分が強い。市場は明日の米消費者物価指数(CPI)に注目している。現在の予想からは、総合指数とコア指数がとも前回同様の高水準での推移が続くとみられている。ユーロドルは戻り売りに押され、1.10台を維持できず再び1.09台半ばまで一時下落した。ポンドドルも戻り売りに押され、一時1.25台に値を落とす場面が見られたものの、下値での買い意欲も強く1.26ドル台は維持されている。今週は英中銀金融政策委員会(MPC)が予定されているが、インフレが上昇していることから、25bpの利上げを行う可能性が高い。しかし、これまで実施して来た利上げが経済を減速させるという理由から、今後については驚くほどタカ派な発言をすることはないとも見られているようだ。
 
(10日)
 東京市場は、米消費者物価指数を控えて様子見ムード。ドル円は朝方に135.34近辺まで買われたが、前日高値135.36近辺には届かず135.07近辺まで下落。その後は揉み合いが続いたが、ロンドン勢の本格参加直前には再び135.40近辺へと買われている。ここにきて6月の利上げ期待が広がっており、先週のFOMC直後の8%前後から25%前後に上昇、ドル買いがやや優勢となっている。ユーロドルは海外市場のドル買い局面での1.0950割れからじりじりとした買い戻しが昼過ぎまで続き1.0977まで強含んだ。ロンドン勢の本格参加前になってドル買いが入って1.0960台での推移。ユーロ円は148円台半ばへと上昇。ドル円の上昇傾向が支えとなっている。
 
 ロンドン市場は、円高・ドル高の動き。米消費者物価指数の発表を控えて、東京市場での値動きに調整が入っている。寄り付きは買いが先行した欧州株だが、すぐに売りに押される展開となっている。米株先物もマイナス圏に下押しされている。いずれも値幅は限定的ではあるが、調整が入る展開。NY原油先物も73ドル台から72ドル台へと軟化している。ドル円は135円台前半で一時135.47近辺まで買われたあとは、欧州株安とともに反落している。ユーロドルは1.0980付近まで買われたあと、1.0950割れへと下落。ユーロ円も148.67近辺の高値をつけたあと一気に148.03近辺まで反落した。ラガルドECB総裁は、「われわれにはまだすべきことある」とインフレ抑制のための追加利上げを示唆する一方、「リセッションは2023年の基本シナリオではない」とこれまでの利上げ過程が行き過ぎていない面も主張していた。

 NY市場は、ドル円が下落。米消費者物価指数(CPI)を受けてドル売りが強まり、ドル円は134円台前半まで急速に下落した。発表前は135円台だった。本日の下げでドル円は再び21日線割れを試す展開が見られている。また、次第に市場はリスク回避の雰囲気も強め、円高の動きもドル円を圧迫したようだ。米CPIは全体的に前回とほぼ変化はなく、高インフレの状態が続いていることを示したものの、予想範囲内だったこともあり、安心感が広がった模様。一部からは、FRBが特に注目しているとされる住居費を除いたコアサービス価格、いわゆるスーパーコアが計算値で前回の前月比0.4%から0.1%に鈍化したことが安心感に繋がったとの指摘も聞かれる。CMEが公表しているフェドウォッチでは、6月の据え置きの確率がほぼ100%になっているほか、7月の利下げ期待が42%程度に上昇。9月までであれば80%近くまで高めている状況。ユーロドルは一時1.10台を回復する場面も見られた。ただ、1.10台に入るとオプション勢などの戻り売り圧力も強まるようで、大台は維持できていない。ポンドドルは米CPIを受けて一旦1.26ドル台後半まで上昇したものの、1.26台前半に伸び悩んだ。米CPI後の上げを帳消し、上に往って来いとなった。

(11日)
 東京市場は、ドル売りが一服。ドル円は前日の米消費者物価指数発表後のドル売り地合いを受けて朝方には133.89近辺まで下落。5日以来、約1週間ぶりの安値水準をつけた。その後は、米10年債利回りの低下が一服すると134円台を回復。午後には134.30台まで切り返した。ユーロ円は、朝方のドル円の下げに連動して一時147.12付近まで下落した。しかし、その後は下げ一服となり、午後は147円台前半で小動きとなっている。ユーロドルは揉み合い。午前にいったん1.0998付近まで強含んだあと、午後は一転して1.0970付近まで軟化した。前日終値を挟んで方向感は限定的。

 ロンドン市場は、ドル買いと円買いが交錯。英中銀の金融政策発表を控えて、ドル買いの動きが先行した。前日の米消費者物価指数発表後のドル売りを巻き返す動き。ドル円は134円付近から一時134.84近辺まで反発。ユーロドルは1.0980付近から1.0920付近へと下落。ポンドドルも1.26台割れから1.2565近辺まで下押しされた。日本時間午後8時に発表された英中銀金融政策は、市場予想通りの25bp利上げで政策金利は4.50%に引き上げられた。特筆すべき点は成長予想が大幅に引き上げられたことだ。2023年、24年ともに2月時点でのマイナス成長予測から今回はプラス成長へと引き上げられた。インフレについては減速予測となったが、そのペースは2月時点よりも緩やかなものに修正されている。ポンド相場は発表を受けて買いの反応を示した。英中銀は今後の追加利上げの可能性も示唆しており、欧州株や米株先物は売りに反応している。為替市場では円買い圧力が再燃している。ポンド円は英中銀発表後の上昇を消している。

 NY市場は、リスク回避の動きが再燃。4月の米生産者物価指数が予想を下回ったことから、前日の米消費者物価指数と同様に利上げ停止と年内の利下げ期待を正当化する内容となった。一方、米地銀への不信感が再び強まっており、リスク回避の円買いも出ていた。米地銀のパックウェスト<PACW>が5月5日に終了した週に預金が約9.5%減少したことを明らかにした。大部分は5月3日に伝わった身売りを含め戦略的選択肢を検討との報道後の5月4日と5日に発生したという。米株式市場がネガティブな反応を見せるなかで、ドル円は一時133円台に下落した。しかし、後半には米株式市場の下げが一服する中でドル円も買い戻しが見られ、134円台半ばに戻した。ユーロドルはNY時間に入って戻り売りが強まり、一時1.09ちょうど付近まで下落する場面が見られた。ポンドドルも戻り売りが強まり、一時1.24台に下落した。英中銀発表後に売買が交錯したあと、ポンドは対ユーロでの売りが強まり、NY市場でもその流れが続いた。きょうはECBが月次調査を公表し、ユーロ圏消費者のインフレ期待が3月に大きく上昇したことが明らかになっている。

(12日)
 東京市場は、円売りが優勢。前日のNY市場後半以降は為替市場は静かな相場展開が続いている。そのなかで、東京市場では日経平均が買われ、1年半ぶりの高値水準となり、米株先物も小高く推移。ややリスク選好の円売り圧力がみられている。ドル円は134.50付近から134.80付近へとじり高の動き。クロス円も買われており、ユーロ円は147円付近から147.30台へ、ポンド円は168.50付近から168.80台へと上昇。全般的には値幅は狭く、落ち着いたムードが続いた。

  ロンドン市場は、ドル買いと円買いの動きが入っている。東京市場からロンドン序盤までの円安・ドル安の流れが一服した格好。ただ、欧州株や米株先物・時間外取引は堅調に推移。米10年債利回りも3.37%付近から3.41%付近に上昇。NY原油先物は70ドル台から71ドル台へと下げ渋り。総じてリスク動向は落ち着いたものとなっている。今週の一連の米物価統計や英金融政策発表を通過し、次の焦点となっている米債務上限問題については協議が来週早々へと延期されており、きょうは手掛かり難となっている。ドル円は134.90近辺まで買われたあとは134.60台へと上昇一服。ユーロ円は147.47近辺に高値を伸ばしたあとは、急速に売られて147円台割れとなっている。ユーロドルも1.0935近辺まで買われたあとは1.0899近辺まで反落、ほぼ1カ月ぶりの安値水準に。この日はインフレ期待の低下を受けたNZドル売りや、ロシアに対する武器提供を米国に批判されている南アのランドが売られている。特に南アランドは対ドルで連日の最安値更新となっており、側面からドル高圧力につながる面も指摘される。

 NY市場はミシガン大学消費者態度調査で示された1年先及び5-10年先インフレ見通しが市場予想を上回る強さとなったことを受けて、ドル買いとなった。ドル円は134円80銭前後で発表を迎え、発表直後に135円台に乗せた。ミシガン大学消費者信頼感指数自体は弱かったこともあり、その後いったん発表前の水準を割り込むところまで売りが出たが、米10年債利回りの上昇などが見られる中でドル高が再び強まり、135円台に再び乗せると、ドル高の勢いが強まり135円台後半まで上値を伸ばした。ユーロドルが1.0850割れまでユーロ安ドル高となるなど、ドルはほぼ全面高となった。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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