月末相場でフローが交錯、インフレ高進でユーロ買い、ドル円136円台後半=ロンドン為替概況
月末相場でフローが交錯、インフレ高進でユーロ買い、ドル円136円台後半=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、月末相場でフローが交錯している。方向性が明確だったのがユーロ買いの動き。フランスとスペインの消費者物価指数の上振れで、短期金融市場ではECB政策金利の4%の上昇を完全に織り込んだ。レーンECBチーフエコノミストは、しばらくの間、金利を高水準に維持すべきと指摘している。ユーロ買いが先行し、ユーロドルは1.06台前半へと高値を伸ばしている。序盤には米債利回り上昇とともにドル円が136円台前半から136.85近辺まで上伸。ユーロ円も144円台前半から145円台に乗せている。続いてポンド買いが強まり、対ドルでは1.20台前半から1.21台乗せまで上昇。ポンド円は164円付近から165.50台まで高値を伸ばしている。ユーロポンドは買いが先行も、反転して下落と忙しい動き。豪ドルは東京市場からロンドン序盤にかけては売りが続いたが、足元では反発の動きとなっており、方向性が錯綜している。月末相場で一貫した流れが見出しにくい展開になっている。このあとのロンドンフィキシングを警戒する声もでている。
ドル円は136円台後半での取引。ロンドン朝方に136.50レベルを上回ると、一気に136.85近辺まで高値を伸ばした。米10年債利回りが3.96%付近に上昇する動きに反応していた。その後は、米債利回り上昇一服もあって、136円台後半に高止まりしている。日銀は3月の国債買い入れ計画を発表し、2月から変わらずとした。ただ、チーペスト銘柄等にかかる国債補完供給の要件緩和措置を発表し、国債需給が過度に引き締まることに対応している。
ユーロドルは1.06台前半での取引。2月のフランスとスペインの消費者物価指数が一段と上昇したことを受けて、ECBの利上げ長期化観測が広がった。ユーロドルは1.06台に再び乗せると高値を1.0625近辺に更新した。ユーロ円は144円台前半での揉み合いを上放れると、145円台乗せへと上伸。足元でも高止まりしている。対ポンドでも買いが先行したが、ポンド買いが勢いづいたことで下落に転じている。
ポンドドルは1.21付近での取引。ロンドン序盤までは1.20台前半へとじり安の動きも、ロンドン勢の本格参加とともに買いが強まっている。ユーロドルの上昇にやや遅れて買われると1.2110付近まで高値を伸ばした。ポンド円は164円前半での揉み合いを上放れると、165.50台まで上伸。ユーロポンドは0.88台乗せへと買いが先行したが、流れが反転すると安値を0.8770付近に更新している。きょうは目立ったポンド買い材料はでていない。EU離脱関連で前向きの動きが前日にでたことや、月末フローなどで神経質な動きがみせたもよう。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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