【これからの見通し】パウエル議長は肩透かし、市場の視線はあすの米消費者物価指数に集中
【これからの見通し】パウエル議長は肩透かし、市場の視線はあすの米消費者物価指数に集中
昨日期待されたパウエル米FRB議長の討論会参加は、具体的な金融政策や経済見通しには言及されなかった。このところ続いているタカ派的な米金融当局者発言を踏襲するものとの思惑が広がっていたマーケットは肩透かしを食った格好。事前にドル買いに傾いていた流れに調整が入った経緯がある。
あすには12月の米消費者物価指数が発表される。市場は今後のインフレ動向を見極めるものとして強い関心を持って見守っている。現時点での市場予想は前年比+6.5%(前回+7.1%)、コア前年比+5.7%(前回+6.0%)、前月比-0.1%(前回+0.1%)、コア前月比+0.3%(前回+0.2%となっている。注目度の高い前年比の伸びはコアとともに鈍化することが見込まれている。最近のマーケットは予想とのわずかな差にも鋭い反応を見せている。ドル相場が急変動することも多く、事前のポジション管理は必要であろう。
直近に発表された米経済指標では、米雇用統計での週平均賃金の伸び鈍化やISM非製造業景況指数の予想以上の低下に市場はドル売り反応を強めていた。昨日のパウエル議長の肩透かしもあって、直前のマーケットはややドル安方向に傾いてゆきそうだ。
この後の海外市場で発表される経済指標は、米MBA住宅ローン申請指数(12/31 - 01/06)、ブラジル小売売上高(11月)が予定されている。かなり材料不足となりそうだ。
発言イベント関連では、ホルツマン・オーストリア中銀総裁、ビルロワドガロー仏中銀総裁、レーン・フィンランド中銀総裁、デコス・スペイン中銀総裁などECB高官の発言機会が予定されている。米国では週間石油在庫統計の発表、10年債入札(320億ドル)の実施が予定されている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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