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ドル円は一時130円台に下落 日銀がインフレ見通しの上方修正検討と伝わる=NY為替後半

為替 

 NY時間の終盤に入ってドル円は131円台前半で推移している。昼過ぎから急速に売りが強まり、130円台に下落する場面が見られた。日本経済新聞が日銀が1月に示す消費者物価指数(生鮮食品を除く=コア)の前年度比上昇率の見通しを前回(10月時点)から上方修正する検討に入ったと伝えたことに敏感に反応した模様。2022年度(2.9%)、23年度(1.6%)の見通しの小幅上方修正を検討するほか、24年度(1.6%)も2%近くに引き上げる公算が大きいという。年末で流動性が低下している中、ドル円は急落している。

 来年は円高を見込む声が多くなっている。先日の日銀決定会合でのイールドカーブコントロール(YCC)の調整自体は、黒田総裁が緩和解除に本格的に舵を切ったわけではなさそうだが、市場はイベントを見て、来年の日銀は本格的に緩和解除に舵を切るとの見方を強めている。特に来年4月の総裁交代でその動きが活発化するのではと期待しているようだ。

 日本も米欧ほどではないが、消費者物価指数(CPI)が上昇していることが背景。ただし、米欧に比べて日本の平均賃金がさほど上昇していない点が決定的な違いとなっている。その意味でも春の春闘の行方が気になるところで、労働者側はベースアップ(ベア)と定期昇給分を合わせて5%程度の賃上げを求める方針を決めている。経営者側も賃上げには前向きな姿勢を示しているものの、どれだけ応えられるか注目される。

 為替市場ではドル円は今後3月末までに急速に下落し、その後も下落が続くが、かなり慎重になると見ているようだ。オプション市場ではドル円は3月末までに121円台半ばまでの急速な下落の可能性を見ている一方、更に3カ月後は117円台前半までの下落の可能性を見込んでいる。下げのスピードは緩やかになると見ているようだ。黒田総裁が任期切れとなる4月までにドル円は急速に下落し、新総裁の就任後は、そのスピードは緩むことが想定されている模様。

 ユーロドルは底堅い動きが続き、1.07ドル台に上昇。ただ、次のアクション待ちの面も大きい。市場では上に出る可能性が高いと見ており、目先は1.10ドルを目指すとの見方が優勢のようだ。

 来週は6日に12月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)の速報値が公表される。エコノミストはユーロ圏の史上最悪のインフレは恐らく一息ついて終わっただろうと予想している。12月のHICPは総合指数で9.5%への鈍化を見込んでいる。一方、コア指数については過去最高の5%を維持すると予想。

 ECBは11月のHICPが予想以上に鈍化を示した後に、利上げペースを0.50%ポイントに緩めた。しかし、予想以上にタカ派姿勢を強調し、追加利上げを約束する決定を下した。ラガルド総裁は0.50%ポイントの利上げをもう2回実施する可能性にも言及していた。

 11月分のHICPは物価ショックが和らいでいる可能性を示唆していたものの、ECBは警戒感を市場に植え付けようとしている。ECBの首席エコノミストのレーン委員は「すでにピークなのか、来年初めにピークを迎えるのかはなお不確実」と述べていた。 ECBは2月2日の理事会までに、12月分と1月分(速報値)の2カ月分を確認できる。

 ユーロドルは9月安値からリバウンド相場が強まり、200日線を上放れている。テクニカル的には2021年の6月以降1年半続いた下げトレンドに終了のサインが点灯している状況。ドル高に限界が見られているほか、上記のようにECBのタカ派姿勢がユーロの買い戻しを支えているようだ。

 ポンドドルは買い戻しの動きが見られ、一時1.21ドル台に上昇した。ただ、来年のポンドに関しては軟調との見方が根強く上値は重い。対ユーロや円では下げが続いている状況。

 この日は12月の英ネーションワイド住宅価格指数が発表になっていたが、英住宅価格は4カ月連続で下落し、より深刻な不況が進行しているのではないかという懸念が強まっている。4カ月連続での下落は金融危機が終わった2008年以来。

 住宅ローン金利の高騰と過去最大の生活危機が実質賃金が低下している多くの購入者の値ごろ感を圧迫している。住宅ローン金利は2008年の水準に上昇。発表元のネーションワイドは「経済の逆風が強まり、実質所得がさらに減少し、経済縮小に伴い労働市場が弱くなることが広く予想される中、市場が短期間で勢いを取り戻すのは難しい」と説明した。

英ネーションワイド住宅価格指数(12月)16:00
結果 -0.1%
予想 N/A 前回 -1.4%(前月比)
結果 2.8%
予想 N/A 前回 4.4%(前年比)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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