【来週の注目材料】米FOMC議事要旨、FOMC関係者発言
【来週の注目材料】米FOMC議事要旨、FOMC関係者発言
市場予想通り6会合連続となる政策金利の据え置きを決定した4月30日、5月1日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が5月22日(日本時間23日午前3時)に公表されます。
同会合での声明ではこのところの物価動向を受けて、昨年12月より記載のある「インフレ率はここ1年で緩和したが、依然高止まりしている」との文言の後に、「ここ数か月、委員会が目指す2%の目標に向けたさらなる進展は見られなかった」との表現が加わわり、物価への警戒感を強く示しました。
パウエル議長はFOMC後の会見で「今年はこれまでのところ(目標に向けた動きについての)確信を深められるようなデータは得られていない」「確信を強めるまでには従来の想定よりも時間がかかりそう」と発言。一方で「次の動きが利上げとなる可能性は低い」ともしており、市場の行き過ぎた期待を抑える姿勢を示しています。
もっともFOMC後のFRB関係者の発言を見ると、ややタカ派な意見が優勢に見えます。FOMCでどのような議論があったのか、今後の金融政策動向を予想するうえで、注目度の高いものとなりそうです。
なお、20日からの週はFOMCメンバーの発言予定が目白押しとなっています。
20日早朝(現地時間19日)にパウエルFRB議長がジョージタウン大学の卒業式で講演を行うことに始まり、20日はボスティック・アトランタ連銀総裁、バーFRB副議長、21日はバーキン・リッチモンド連銀総裁、ウォラーFRB理事、ウィリアムズNY連銀総裁、およびボスティック総裁、コリンズ・ボストン連銀総裁、メスター・クリーブランド連銀総裁によるパネルディスカッション、22日にグールズビー・シカゴ連銀総裁、23日にボスティック総裁、24日にウォラー理事といったところです。
中でも注目は21日午後10時からのウォラー理事の講演と、20日から行われるアトランタ連銀による金融カンファレンスの中で行われる22日午前8時(現地時間21日)のボスティック総裁、コリンズ・ボストン連銀総裁、メスター・クリーブランド連銀総裁によるパネルディスカッションです。
ウォラー理事はタカ派で知られる理事で、このところの物価の高止まり傾向については、利下げに踏み切る前に少なくとも数か月の良い内容のデータを目にしたいと発言。利下げの全体的な回数を減らすか、利下げ開始を先送りすることが適切との見解を示しています。直近の米消費者物価指数はやや弱く出ていますが、この結果を受けてどのような発言が出てくるかが注目されます。
ボスティック総裁らのパネルディスカッションでも、金融政策動向が主たる話題の一つとなるとみられます。ボスティック総裁とメスター総裁は今年のFOMCでの投票権を有しているだけに注目したいところです。
執筆者 : MINKABU PRESS
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