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パウエル講演受けドルは前半の上げを失う 12月の利上げ幅縮小を示唆=NY為替後半

為替 

 NY時間の終盤に入って為替市場はドル売りが強まっている。午後にパウエルFRB議長の講演が伝わり、ドルはそれまでの上げを失った。議長は「利上げペースを緩める時期が早ければ12月に来るかもしれない」と述べたほか、「金利のピークは9月の予測よりも幾らか高い可能性が高い」とも語った。全体的には前回のFOMC後の会見とトーンは同じであるものの、具体的に12月に言及してきたことで、市場は12月FOMCでの0.50%ポイントの利上げ期待を高めている。CMEのFEDウォッチでは確率が75%まで一時上昇。前日は65%程度だった。

 前半は月末要因やパウエル議長の講演が控えていたこともあり、ドル買いが強まっていた。ドル円は一時140円台をうかがう動きも見せていたが、パウエル議長の会見を受けて、一時138円ちょうど付近まで急速に下落し、前半の上げを失っている。

 ユーロドルはパウエル議長の講演を受けて買い戻しが強まった。一時1.03ドルを割り込む動きを見せていたものの、議長の講演を受けて反転し、1.04ドルをうかがう動きが見られた。200日線が1.0375ドル付近に来ているが、その水準を再び回復しており、明日以降の動きが注目される。

 ロンドン時間に11月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)が発表され、物価上昇圧力の緩和が示された。この結果を受けて、見方が二分していた次回ECB理事会での利上げ幅は0.50%ポイントとの見方が強まっている。短期金融市場ではその確率が75%程度まで上昇。ただ、概ね予想範囲内だったことや、パウエル議長の講演を控えていたこともあり、ユーロは大きな反応を示していない。

ユーロ圏消費者物価指数(HICP)(概算値速報)(11月)19:00
結果 10.0%
予想 10.4% 前回 10.6%(前年比)
結果 5.0%
予想 4.9% 前回 5.0%(コア・前年比)
結果 -0.1%
予想 0.1% 前回 1.5%(前月比)

 ポンドドルは1.20ドル台を回復。一時1.19ドルちょうど近辺まで下落していた。きょうは英中銀のチーフエコノミストのピル委員の講演が伝わっていたが、EU離脱も英国の高インフレの一因との見解を示していた。EU離脱は労働力不足を引き起こし、それによって企業間の価格圧力が強まり、経済を弱体化させたとしている。EU離脱により15年以内に英国が永久に失う国民生産は3%と推定し、この仮定を変更する理由はないとも付け加えた。EU離脱は、移民の変化、競争力低下、貿易強度低下の3つの経路で物価に上昇圧力をかけているという。

 EUとの自由な移動が終了したことで、企業は国外から人を雇うことが難しくなっている。移民全体への影響はまだ限定的に収まっているが、移民労働者の国籍がEU圏外からの人が多くなる傾向にあり、その人たちが労働市場ですぐに生産性を発揮するかは疑問の余地があるとしている。また、EU離脱によって、英中銀の仕事が複雑になっているとも指摘していた。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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