FOMC議事受けドル売り加速 ドル円は139円台前半まで一時下落=NY為替概況
きょうのNY為替市場はドル売りが優勢となった。この日発表の米新規失業保険申請件数や米PMIのデータが弱い内容となったことをきかっけにドル売りが強まった。感謝祭ウィークで市場参加者が少なくなっていることも、ドルの急速な売りに繋がっている可能性もありそうだ。
午後に11月1、2日分のFOMC議事録が公表され、ドルは下げ幅を拡大。ドル円は139円台前半まで下落している。議事録では、大半が利上げペースの早期減速を支持していたことが明らかになったほか、様々な委員がターミナルレート(最終着地点)を以前よりも高い水準で見ていることが示された。
新たな発見は何もなかったが、改めて12月FOMCの利上げは0.50%ポイントとの見方を裏付ける内容ではあった。
ドル円はきょうの下げで100日線を再び下回っており、直近安値の137.70円付近を再び試しに行くか注目される。
ユーロドルは買いが優勢となり、1.04ドル台に上昇した。200日線が1.04ドルちょうど付近に来ており、顔合わせする展開となっている。
この日は11月調査のユーロ圏PMI速報値が発表になっていたが、製造業とサービス業で予想を上回る上昇となった。総合指数も10月の47.3から47.8に上昇。しかし、依然として景気縮小を示唆する内容ではある。50以下の水準が続いており、企業活動の収縮を示唆している。これまでの10、11月分のデータからは、第4四半期のGDPは0.2%強のマイナス成長予測と整合するという。
ユーロ圏
総合PMI(速報値)(11月)18:00
結果 47.8
予想 47.0 前回 47.3
製造業PMI(速報値)(11月)18:00
結果 47.3
予想 46.0 前回 46.4
非製造業PMI(速報値)(11月)18:00
結果 48.6
予想 48.0 前回 48.6
ポンドドルは上げを加速させ、1.20ドル台を回復。一時1.2080ドル近辺まで上昇したが、200日線が1.22ドルちょうど付近に来ており、試しに行くか注目される。ただ、1.20ドル台の維持には苦労を要する可能性があるとの指摘も少なくない。ポンド自体に強力な上昇要因がないためだ。しかし、ポンドはユーロよりもリスクセンチメントに対する感応度が高いため、世界のリスクセンチメントが本格的に改善すれば、ポンドがサポートされる可能性はあるという。
きょうはスコットランド議会が英政府の承認なしに2度目の独立住民投票を実施できるかどうかについて英最高裁判所の判決が下った。内容次第ではポンドが乱高下する可能性があったが、大方の予想通りに、最高裁は政府の承認なしに住民投票を行うことはできないという見解を支持した。短期的なポンドの安定という面では最良の結果となった。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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