ドル高がやや優勢=東京為替概況
ドル高がやや優勢=東京為替概況
週明け21日の東京市場は、ドル円、ユーロドル、ポンドドルなどでドル買いが目立った。先週木曜日にセントルイス連銀のブラード総裁が政策金利は最低でも5-5.25%と、市場の4.75-5.00%がターミナルレート(利上げの終着点)になるとの見方を牽制。もともとタカ派で知られる同総裁であるが、今年3月からの利上げ開始にいち早く言及していたこともあり、市場の反応を誘う形でドル円は1ドル=140円台をしっかり回復して先週の取引を終えた。週明けは先週末とそれほど乖離のない水準から、早朝に少しドル買いの調整が入ったが、140円10銭台までの押し目にとどまり、その後は買い戻しが優勢となった。
中国で新型コロナウイルス感染が広がり、首都北京市で約半年ぶりに新型コロナウイルスによる死者が確認されたことを嫌気して、ドル買い元売りの動きが広がったことも、アジア市場でのドル高に寄与した。
対欧州通貨でもドル高の動きが目立った。ユーロドルは1ユーロ=1.0320ドル前後で週の取引を開始すると、朝方のドル売りに1.0330ドル台まで上昇。その後はドル買いに転じ、午後には1.0270ドル台をつけた。今週のユーロ圏PMIなどで欧州の景況感悪化が印象付けられるとの警戒感もあり、売りが出やすい地合いとなっている。ポンドドルは朝の1ポンド=1.19ドル台から1.1820ドル台まで。ユーロ売りの動きにつれ安となったことに加え、英国は先週のCPIが強く出る一方で、景気鈍化懸念が根強く、スタグフレーション懸念がポンド売りを誘う形となっている。
ドル人民元は上述の元安を受けて一時7.17に迫った。このところ中国国内での新型コロナウイルス感染拡大が懸念される中で、一時期待が広がっていたゼロコロナ緩和については期待が後退しており、中国経済の鈍化懸念が広がっている。先週後半に7.16元台を付けた後、週末にかけて7.12割れを付けたが、週明けは7.15台で窓を開けてスタート。その後も午前中は上昇傾向が続いた。7.17手前で上値を抑えられ、その後は動きが落ち着いたが7.16を挟んでの推移が続くなど、ドル高元安圏推移となっている。
MINKABU PRESS 山岡和雅

執筆者 : MINKABU PRESS
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