ユーロやポンドの下落でドル買い優勢に、ドル円は149円台後半へ=ロンドン為替概況
ユーロやポンドの下落でドル買い優勢に、ドル円は149円台後半へ=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル買いが優勢。米債利回りの上昇を下支えにドルが買われている。米10年債利回りは4%台乗せから一時4.10%近くまで上昇。ドル指数は21日線超えへと上昇。個別通貨では、ポンドドルの下げがドル買いを先導。9月英消費者物価指数が前年比+10.1%に再び上昇、根強いインフレ圧力が英経済に悪影響となることがポンド売りを誘ったもよう。ポンドドルは1.13台割れから1.1230近辺まで安値を広げている。ポンドドルに追随した動きのユーロドルもロンドン昼に向けて下げ足を速めている。0.98台割れとなると安値を0.9760近辺に広げている。ユーロ圏の9月消費者物価指数・確報値も前年比+9.9%の高インフレとなっている。ドル円は149円台前半でじり高の動きを示していたが、欧州通貨の下落とともに取引中盤には149.50を上回ると149.72近辺に高値を伸ばしている。32年ぶり高値水準を更新するとともに、150円を視野に入れている。ただ、日銀の円買い介入への警戒感もあって上昇の勢いはやや慎重。ユーロ円やポンド円は軟調に推移している。ドル円相場は新たな材料に欠けるなかで、淡々と水準を上げる展開になっている。
ドル円は149円台後半での取引。東京午前は149.20付近で揉み合っていたが、午後にはじり高の動きが始動、ロンドン午前には149.50手前で上値を抑えられていた。ロンドン昼にかけて149.50レベルをブレイクすると149.72近辺に高値を伸ばしている。150円を視野に入れる動き。ただ、日銀の円買い介入への警戒感もあって、クロス円は円高方向に動いている。
ユーロドルは0.97台後半での取引。東京市場で0.98台後半から前半へ水準を下げたあと、ロンドン市場では一段を売りが加速している。0.98台割れから0.9760近辺へと安値を広げている。米債利回りの上昇がドル買い圧力となったほか、9月ユーロ圏消費者物価指数・確報値が前年比+9.9%と高インフレだったことが欧州経済に対する足かせとの見方につながったもよう。ユーロ円は軟調。147円手前で上値を抑えられると、146.08近辺まで下落している。対ポンドでは、ユーロ買いが先行したが、その後はユーロ売りに転じており、往って来いに。
ポンドドルは1.12台前半での取引。朝方に発表された9月英消費者物価指数が前年比+10.1%と7月の過去最高水準に再び並んだ。英経済への不透明感が高まり、ポンド売りを誘発したもよう。1.13台割れから1.1222近辺まで下落している。ポンド円は軟調。169円付近から売りが加速、168円台割れ水準まで下押しされている。ユーロポンドは0.8680近辺から0.8730近辺まで上昇。その後は0.8690付近へと反落。上に往って来いとなっている、英中銀の措置で年金運用に対する不安が緩和されているが、肝心のトラス首相に辞任要求が高まっており、英政局不安がポンド相場の重石となった面も指摘される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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