ユーロが売られる、一連の欧州PMI速報値が予想以上に低下=ロンドン為替概況
ユーロが売られる、一連の欧州PMI速報値が予想以上に低下=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ユーロが売られている。フランス、ドイツ、ユーロ圏など一連の6月PMI速報値がいずれも予想以上に低下したことに反応した。ユーロ圏製造業PMI速報値は52.0と前回の54.6から低下、2020年8月以来の低水準となった。同非製造業も52.8と前回の56.1から低下、今年1月以来の低水準となった。エネルギー・食料品価格の高騰、供給ボトルネックなどが背景として指摘された。一方で、英PMI速報値は製造業が53.4と前回の54.6から低下したが、非製造業は53.4と前回の水準を維持した。ユーロは対ポンドでも売りが入っている。ユーロドルは1.05台後半から一時1.04台後半へ、ユーロ円は143円台半ばから一時142円台割れまで大きく下落した。ポンドドルも連れ安となったが、1.22台半ばから1.21台後半に下げたあとは1.22台を回復している。ポンド円は166円台前半から一時165円台割れも、その後は165円台前半での揉み合いとなっている。弱い景気指標を受けて欧州株は売りが先行したが、米株先物の回復とともに下げ渋り。英仏株価指数はプラス圏を回復している。ドル円は135円台で方向感に欠ける振幅。朝方に135.90付近まで買われたあとは135.20台まで軟化。東京市場からのレンジ内での上下動となっている。
ドル円は135円台前半での取引。東京朝方に136.28レベルの高値を付けた後は売りに押されて135.13レベルまで下落。その後はロンドン朝方にかけて135.90付近まで反発。ロンドン時間に入ると売りに押されて135.20台まで再び下げた。欧州株が売り先行となると、英独債利回りが低下、米債利回りも連れ安となり、ドル円の上値を重くしていた。
ユーロドルは1.05近辺での取引。一連の欧州PMI速報値が予想以上に低下したことを受けて、売りが強まった。1.0560-80レベルでの揉み合いを下放れると、一時1.0483レベルまで下落。その後の戻りは1.0520付近までにとどまった。ユーロ円はロンドン朝方に143.70付近まで買われていたが、欧州のPMI発表後は一気に下落、安値を141.89レベルまで広げた。その後の戻りは142.50近辺まで。ユーロは対ポンドでも売りに押されている。欧州の景気動向への不透明感が広がった。
ポンドドルは1.22近辺での取引。1.2250付近での揉み合いからユーロドルの下落をにらんで下放れた。安値を1.2170レベルまで広げたあとは1.22台前半まで反発している。ポンド円は166.40付近へと買われたあと、ユーロの下落に連れて164.82レベルまで下値を広げた。その後は165.50付近まで反発し、165円台前半で推移している。ユーロポンドは0.8640近辺まで買われたあと、一時0.86台割れまで下落。ポンド買いが優勢になっている。6月の英PMI速報値がユーロ圏ほどは落ち込まなかったことが、ユーロ売り・ポンド買いにつながっていた。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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