FX/為替「ドル/円、年初来高値更新なるか」 外為トゥデイ 2022年3月11日号
目次
▼10日(木)の為替相場
(1):ECB 債券買い入れ終了を前倒しへ
(2):米CPI 40年ぶりの高水準
(3):ECB総裁 ウクライナ危機による成長減速を懸念
10日(木)の為替相場
期間:10日(木)午前7時10分~11日(金)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):ECB 債券買い入れ終了を前倒しへ
欧州中銀(ECB)は金融政策の現状維持を決定。ただ、資産購入プログラム(APP)による債券買い入れの終了を7-9月期に前倒しする方針を決め、声明から「金利は現在よりも低くなる公算」とする文言を削除した。予想外のタカ派スタンス強化を受けてユーロは一時急伸した。ただ、利上げ時期を巡るフォワードガイダンスについては「資産買い入れ終了後しばらくしてから」とし、従来の「利上げの少し前に資産買い入れを終了する」から変更した。このため、ユーロは買いが一巡すると失速した。
(2):米CPI 40年ぶりの高水準
米2月消費者物価指数(CPI)は前年比+7.9%と予想通りに前月(+7.5%)から伸びが加速し、約40年ぶりの高水準を記録。変動の大きい食品やエネルギーを除いたコアCPIも前年比+6.4%と予想通りに加速した。これを受けて米長期金利が上昇するとドル買いが強まった。なお、米10年債利回りはその後2%の大台を一時回復した。
(3):ECB総裁 ウクライナ危機による成長減速を懸念
ラガルドECB総裁の定例会見中にユーロは上げ幅を失い下落に転じた。総裁はECBがスタッフ予測で今年の成長率見通しを引き下げた一方、インフレ見通しを引き上げた事を明らかにした。その上で、ウクライナ危機が「欧州にとって重大な転機になる」と指摘。「エネルギー価格および商品価格の上昇や国際商取引の混乱、信頼感の低下という形で、経済活動やインフレが重大な影響を受ける」「経済見通しに対するリスクは著しく増大し、下方に傾いている」と述べた。米2月CPIを受けてドル買いが強まった事もユーロを押し下げる一因になった。
10日(木)の株・債券・商品市場
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本日の見通し
ドル/円の見通し:年初来高値更新なるか
昨日のドル/円は終値ベースで約0.2%上昇。116.19円前後で伸び悩むなど、年初来高値(116.35円前後)を前に上値の重い様子も見られたが、米10年債利回りが一時2%の大台を回復して上昇する中、ドル買い・円売りが優勢だった。なお、米2月消費者物価指数(CPI)が前年比+7.9%と約40年ぶりの高い伸びを示した事で、米連邦公開市場委員会(FOMC)が来週15-16日の会合で少なくとも25bp(0.25%ポイント)の利上げに動く事がほぼ確実となった。
こうした中、本日のドル/円は年初来高値の更新を改めて試す事になりそうだ。更新すれば116円台後半へと上昇が加速する事も考えられる。ただ、昨日まで4連騰しているだけに週末を前にした調整売りには警戒が必要だろう。アジアタイムに年初来高値を超えられなければ欧米タイムは反落リスクが高まりそうだ。
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