FX/為替「米雇用統計に下振れ懸念」 外為トゥデイ 2022年2月3日号
目次
▼2日(水)の為替相場
(1):RBA総裁、年内利上げに含み
(2):ユーロ圏消費者物価指数は過去最大の伸び
(3):明日のECB理事会でのタカ派化観測が浮上
(4):米ADPは予想外の減少
2日(水)の為替相場
期間:2日(水)午前7時10分~3日(木)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):RBA総裁、年内利上げに含み
豪中銀(RBA)のロウ総裁は講演で「経済が力強く推移すれば、年内に利上げするシナリオも明らかにある」と、早期利上げの可能性にはじめて言及。一方で「(低金利を維持して)完全雇用を達成するまたとないチャンス」として「利上げが1年、またはそれ以上先になると見るのも妥当」とも発言した。
(2):ユーロ圏消費者物価指数は過去最大の伸び
ユーロ圏1月消費者物価指数(HICP)・速報値は前年比+5.1%となり、予想(+4.4%)に反して過去最大の伸びを記録した。エネルギー価格の上昇が主な押し上げ要因である事に変わりはないが、食品・エネルギー・アルコール・たばこを除いたコアHICPも前年比+2.3%と予想(+1.9%)以上に上昇した。
(3):明日のECB理事会でのタカ派化観測が浮上
ユーロ圏1月HICP・速報値を受けてユーロが上昇。翌日の欧州中銀(ECB)理事会でインフレ警戒姿勢が強化され、政策スタンスがタカ派化するとの観測が浮上した。やはり翌日に英中銀(BOE)の金融政策委員会(MPC)を控えたポンドにも買いが入った。BOEは25bpの追加利上げが確実視されている。ドル/円は、欧州通貨の上昇で相対的にドルが下落した影響から上値が重かった。
(4):米ADPは予想外の減少
米1月ADP全国雇用者数は30.1万人減と、市場予想(18.0万人増)に反して大幅に落ち込んだ。これを受けてドルが売られるとドル/円は114.14円前後まで下値を拡大した。ただ、前日に米政府関係者や米連邦準備制度理事会(FRB)高官が、オミクロンの影響による一時的な雇用悪化を示唆していた事もあってドル売りは比較的短時間で収束した。
2日(水)の株・債券・商品市場
外為注文情報
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本日の見通し
ドル/円の見通し:雲の下抜けに警戒
昨日のドル/円は終値ベースで約0.2%下落。中銀の金融政策発表を翌日に控えたユーロやポンドが上昇する中、相対的にドルが下落した。米1月ADP全国雇用者数が予想外に減少すると114.14円前後まで下値を切り下げたが、その後は買戻しが入り114.40円台で取引を終えた。日足一目均衡表の転換線(114.58円前後)を下回って引けており、本日は「雲」の下抜け(雲下限=114.03円前後)に警戒が必要となろう。
英中銀(BOE)と欧州中銀(ECB)の金融政策発表を受けたポンド/ドルやユーロ/ドルの動きが注目される。欧州通貨の上昇が止まればドルが強含む事も考えられるが、米1月ADP全国雇用者数の軟化で明日の米1月雇用統計にも下振れ懸念が浮上している事を踏まえるとドルの戻りは鈍そうだ。
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