【これからの見通し】原油高でインフレ警戒、株式市場軟調 為替はドル高圧力に
【これからの見通し】原油高でインフレ警戒、株式市場軟調 為替はドル高圧力に
週明けのマーケットでは原油高の動きが目立っている。OPECプラス会合で従来の生産計画を維持する方針が示されたことが一段と原油高を加速させた。NY原油先物は一時78ドル台まで上伸した。
新型コロナウイルス感染からの経済回復、生産・供給のボトルネックなどで需給が引き締まっていたところに、増産が打ち出されなかったことで、一段と原油供給がタイトになることが警戒された格好。これまで原油高は経済回復の表れとして歓迎されてきたが、足元ではインフレ警戒を示すものとして悪者扱いに変化している。
各国の金融政策担当者はインフレ高進は一時的との見方をとってきているが、ここにきてインフレ上昇が予想以上に長引くことへの警戒感も出始めているようだ。超金融緩和状態に慣らされていたマーケットにも次第に不安感がでてきている。
昨日の米株式市場ではナスダック指数が2.14%安の14255.48で引けるなど売りに押された。ダウ平均も323.54ドル安の34002.92で引けており、終値ベースでは辛うじて大台を維持していた。きょうの東京株式市場では日経平均が一時900円超安と売りが強まった。アルゴ取引などテクニカル要因も指摘されているが、市場心理は悪化していると言えよう。
為替市場では再びリスク警戒のドル高圧力が台頭してくるのかどうかが注目されそうだ。ユーロドルは1.16台を割り込む動き、ポンドドルは1.36台を割り込む動きがみられている。ドル円はドル高と円高の綱引き状態となっており、111.00レベルを挟んでの上下動。米10年債利回り動向がドル円相場にとってのカギとなっている。この後の海外市場でもその動向に注目したい。
この後の海外市場で発表される経済指標は、ドイツ、ユーロ圏、英国、米国などの非製造業PMI・確報値(9月)、米貿易収支(8月)、米ISM非製造業景気指数(9月)、カナダ国際商品貿易(8月)など。
発言イベント関連では、ホルツマン・オーストリア中銀総裁、フランコ伊経済財務相、ラガルドECB総裁、クオールズFRB副議長などの講演やイベント参加が予定されている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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