為替相場まとめ1月18日から1月22日の週

為替 

 18日からの週は、振幅しつつもドル相場はドル安方向に傾斜した。年明けからはドル高に流れが転換していたが、その流れにも調整が入る格好となっている。株式市場は米株が最高値を更新するなど堅調さを維持している。バイデン大統領の就任式を無難に通過してからは続々と大統領令を発しており、いよいよバイデン時代が始まった感がある。トランプ前政権からの政策転換の影響について、今後の相場のテーマとなりそうだ。各国中銀は金融政策の現状維持が相次いだ。カナダ、ブラジル、日本、トルコ、欧州、南アフリカなど主要国の中央銀行はすべて政策金利の据え置き、支援策の継続を表明した。英中銀総裁は、ウイルス対策で経済回復に楽観的な見方を示し、マイナス金利導入しついては議論していないと発言、ポンド買いを誘った。ウイルス感染拡大の状況には目立った改善はみらないが、ワクチン接種計画の策定が進んでおり、時間がかかるとしても経済回復への道筋は描かれているようだ。


(18日)
 東京市場は、ドル高・円高の動きが優勢。ユーロドルは先週末海外市場での軟調な流れを受けて、安値を広げた。午後には1.2060近辺まで下押しされている。ユーロ円は125円台半ばから125.15付近まで軟化。新型コロナウイルスの感染拡大第3波の勢いに対する警戒感と、レンツィ元首相率いるイタリア・ビバが連立政権から離脱しイタリアの政局不安が広がっていることなどがユーロの重石に。ポンドも上値が重い。ポンドドルは1.3600レベルが重くなり、1.3560近辺まで下落。ポンド円も141円台前半から140.60台まで下落した。ドル円はドル高・円高の綱引きで103円台後半での揉み合いだった。NY市場が休場となることで、様子見のムードもあった。

 ロンドン市場は、ドル高の流れが継続。ドル円が103円台後半での揉み合いとなる一方で、各主要通貨に対してドルが一段と買われている。ユーロドルは1.20台後半、ポンドドルは1.35台前半、豪ドル/ドルは0.76台後半など前週末から一段と軟化している。この日はNY市場がキング牧師誕生日のため米株や債券市場が休場となる。米債取引が休止されるなかでのドル高の動きは新たなトレンド性を感じさせる動き。ドル指数は先週末から一段と上昇し、10+21日線がゴールデンクロスを示現した。この日は前週末の米株安を受けて欧州株が小安く推移しており、ややリスク警戒の動きもみられている。英欧の主要経済指標発表はなく、手掛かり難の週明け相場となっている。

 NY市場はキング牧師生誕記念日の祝日で休場。

(19日)
 東京市場は、リスク選好の動き。株高とともにドル売り・円売りが強まった。バイデン次期大統領から財務長官に指名されたイエレン前FRB議長の指名公聴会が上院財政委員会で今晩開催される。その中で力強い経済再生に向けた支援策を進める姿勢が強調される期待が広がった。ドル円は103円台後半から昼頃には104.08レベルまで上昇。午後は104円ちょうど付近と高値圏揉み合いに。ユーロドルは1.2099レベルまで上昇。ドル円を除くとドル売りの動きが優勢で、欧州通貨、オセアニア通貨などが買われた。

 ロンドン市場は、円安・ドル安の動きが優勢。特に、ユーロが堅調で、続いてポンドが上昇。豪ドルは買い先行後は値動きが一服している。ドル円は東京市場で大きく上昇したあと、ロンドン市場では104円の高値付近での揉み合いに。ユーロドルは1.21台乗せから1.2130台へ、ポンドドルは1.36挟みの振幅を経て1.3620台へと上昇。ユーロ円は126円台乗せ、ポンド円は141円台後半と東京市場から一段と買われている。このあとのイエレン氏の米財務長官指名承認公聴会を控えて、積極的な財政出動への期待が広がっているようだ。米株先物が買われており、欧州株も連れ高となっている。また、ユーロ相場にとってはこの日発表された独ZEW景況感指数が予想を上回る改善を示したことが買いを加速させた面もあった。

 NY市場では、ドル売りが優勢。株高、米債利回り上昇とリスク選好の動きが広がった。米国債利回りが上昇し、インフレ期待を示すブレークイーブン・レートは10年物で一時2.112%まで上昇し、2018年10月以来の水準まで上昇した。バイデン次期大統領は1.9兆ドル規模の追加経済対策を提案しており、市場のインフレ期待は強い。きょうは次期米財務長官に指名されているイエレン前FRB議長の米上院財政委員会での指名公聴会が実施され、「米企業の競争力を上げるためのドル安は望まない」と述べていた。また、財政については「安定させる必要があるが、いまは支援が最優先」としている。ただ、イエレン公聴会については事前の想定内として大きな反応はみられなかった。ドル円は104円台を回復する場面があったが、上値追抑えられて103円台後半で推移。ユーロドルは買い戻しが優勢で1.2145近辺まで一時上昇。ポンドドルは1.36台前半で一段高の動き。

(20日)
 東京市場は、小動き。ドル円は103.90近辺から103.70台へとじり安。前日の東京市場では104円台を回復したが、今日は米大統領就任式を前に調整の動きがみられた。ユーロドルは1.2140-50レベルでの揉み合い。前日からのユーロ高水準を維持も値動きは限定的だった。ユーロ円は126.20付近から102円挟みの水準に小幅軟化。日経平均が利益確定売りで反落するなどリスク選好一服が重石に。カナダドルは1.2700台での推移と、ややドル安・カナダドル高の水準。前日に、バイデン政権でのキーストーンXLパイプラインの認可取り消しの観測がカナダドル売りを誘った後の調整とみられる。

 ロンドン市場は、ポンド買い・ユーロ売りが強まっている。ユーロポンド相場が0.89近辺から0.8838レベルまで下落。昨年5月以来の安値水準となった。直近の安値を割り込み、ストップ注文が執行されるテクニカルな面が強かったようだ。また、この日発表された12月の英消費者物価指数の伸びが加速する一方で、ユーロ圏消費者物価指数は前年比が5カ月連続のマイナスと低迷しており、対照的な結果だったことも影響したもよう。あすのECB理事会結果発表を控えて、このところラガルトECB総裁がユーロ相場を注視する内容の発言を行っていたこともユーロ高抑制材料となっている。欧州株や米株先物は堅調、原油先物も買われており、リスク動向は良好。バイデン新大統領の就任式を歓迎するムードとなっている。ただ、ユーロポンドの動きが強まった分、ユーロドルは上値を抑えられており1.2160付近まで買われたあとは1.2110台まで反落。一方、ポンドドルは1.36台半ばから一時1.3718レベルまで上伸。ユーロ円は125円台後半に下落、ポンド円は142円台乗せへと上伸。ドル円は103.70-80レベルを中心に揉み合いが続いている。

NY市場で、ドル円は下値警戒感を強めた。一時103.45近辺まで下落した。予想を下回る米住宅指標をきっかけに米国債利回りが上昇幅を縮小、ドル円を圧迫した。21日線付近に軟化している。きょうはバイデン氏が第46代米大統領に就任した。バイデン政権はドルの切り下げを直接は狙ってはいないのかもしれないが、米財務長官の選択はそれを促しているとの声も聞かれる。きのう上院で、次期米財務長官に指名されているイエレン氏の指名公聴会が行われていたが、低金利と追加財政支出の必要性に言及していた。ユーロドルは売りが優勢となり、一時1.20台に下落する場面があった。あすのECB理事会を控えて、ラガルド総裁が成長の下振れリスクを指摘してくるのか注目されている。ポンドドルは戻り売りに押されて1.36台前半まで一時下落。英消費者物価指数を受けた上昇を消した。カナダ中銀は金融政策の据え置きを発表した。足元の感染拡大にもかかわらず、予想より早期にワクチン接種が始まったことで、中期的な成長見通しは改善したと説明。また、資産購入ペース縮小に言及したことも、楽観的な印象を強めた。カナダドルは買いの反応に。

(21日)
東京市場は、ドル売りが優勢。ユーロドルは前日海外市場で1.2070台まで下落する場面があったが、その後は1.21台を回復していた。東京市場では1.2130台へと一段高になった。ポンドドルも1.36台半ばから1.37台を回復。いずれも前日NY市場での下落を戻す動きになっている。ドル円は午前に103.60台へと上昇しsたあとは、全般的なドル売りの押されて103.30近辺へと反落。ただ、クロス円は株高などリスク選好で底堅く、振幅しながらもユーロ円は125円台前半から後半へ、ポンド円は141円台前半から後半へと水準を上げた。日銀金融政策決定会合は事前見通し通り金融政策の現状維持を決定。資金繰り支援策継続を決定した。展望レポートでは2020年の成長見通しを引き下げた。豪雇用統計は予想通りの好結果。いずれも想定内の結果として目立った反応はなかった。

 ロンドン市場は、ポンドが堅調に推移している。前日と同様にユーロ売り・ポンド買いの動きが優勢。背景には英中銀のマイナス金利導入への慎重姿勢があるようだ。昨日にベイリー英中銀総裁が、英経済はワクチン接種の進展で力強い回復が想定されると述べた。さらに、実際にはマイナス金利を導入するかどうかについて議論しておらず、何の判断も下していないとした。ECB理事会後のラガルド総裁会見でユーロ高けん制への思惑があることとは対照的な状況となっている。ポンドドルが1.37台乗せから1.3746レベルに高値を伸ばす一方、ユーロドルは一時1.2120レベルまで下げたあと1.2147レベルと小幅の高値更新にとどまっている。ユーロポンドは0.8830レベルと前日安値を更新した。欧州株は米株先物はおおむねプラス圏で推移しているが、やや上値が重くなっており、売買が交錯している。ドル円は103.30-50レベルでの振幅。クロス円はポンド円が一時142円台乗せと堅調も、ユーロ円は125.40-60レベルでの揉み合いに終始している。トルコ中銀は大方の予想通り政策金利を据え置いた。リラ相場の反応はハッキリしていない。

 NY市場では、ユーロが堅調だった。ECB理事会をめぐって1.21台前半から後半で何度か振幅したが、NY終盤には買い優勢で取引を終えている。ECB理事会では大方の予想通りに政策は据え置かれた。声明では「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の全額を使うとは限らない」との文言を繰り返したほか、ラガルドECB総裁は、「見通しのリスクは下に傾斜しているが、顕著ではない。経済活動は12月に提示した基本シナリオにほぼ沿っている」と述べていた。一部からは、感染拡大が一向に収束を見せず、部分的都市封鎖も延長される中、ハト派な言及が出るのではとの見方もあっただけに、今回の総裁会見は若干楽観的な印象が出たのかもしれない。ポンドドルは1.37台前半で上下動。ユーロ動向をにらんで下に往って来いとなった。ドル円はNY序盤に103.65近辺まで買われた。米債利回りの上昇に反応。その後は103円台半ばで神経質に振れた。引けにかけてはやや上値が重くなった。 

(22日)
 東京市場は、ややドル買いの動き。ドル円は朝方に103.45近辺まで下押しも、その後は103.61レベルまで上昇。ただ、前日海外市場のレンジ内にとどまる小動きだった。新型コロナウイルスの感染防止のため、香港が九龍地区の一部を対象に同国初のロックダウンを実施するとの報道をきっかけにアジア株、米株先物などが下落。日経平均は125円安で引けた。ユーロドルは一時1.2178レベルと前日のNY高値をわずかに上回ったが、その後は1.2170付近での揉み合いとなった。ユーロ円は午前中に126.11レベルに高値を伸ばしたあと、高値付近に張り付いている。一方、12月の小売売上高速報値が弱めに出た豪ドルは対ドルで0.7740近くまでと前日NY市場での安値に並ぶ動きを見せた。

 ロンドン市場は、総じてドル買いが優勢。週末を控えて米株先物が時間外取引で下落しており、欧州株にも売りが波及している。リスク警戒型のドル高の動きが広がる展開になっている。ドル円は103円台半ばから後半へと上昇。ポンドドルは1.37台前半から1.36台半ばへ、豪ドル/ドルは0.77台半ばから前半へと下落。ポンドにとっては1月の英PMI速報値が特に非製造業で落ち込みが激しかったことが重石。また、豪ドルにとってはNY原油先物が51ドル台へと大きく下落していることが売り圧力に。ユーロドルも売りが先行したが、一連のユーロ圏の1月PMI速報値が予想ほどの低下とはならなかったことを好感して反発した。ユーロドルは1.2150付近に下げたあとは一時1.2190近辺まで上伸した。その後も高値水準を維持している。

 NY市場でドル円は底堅い展開が見られ103円台後半に上昇。本日の21日線は103.60付近に来ているが、その水準を上回っている。きょうの市場は米株が利益確定売りに押されるなど、ややリスク回避の雰囲気も出ており、ドルへの逃避買いが出ている。ハイテク企業の決算が弱い内容だったことでリスク回避の雰囲気をやや強めた模様。

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執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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