ドルに買い戻し、NY勢の動向待ちに=ロンドン為替概況
ドルに買い戻し、NY勢の動向待ちに=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル買い優勢になっている。前日NY市場で強まったドル売りに調整が入る格好。ドル円は103円台後半から104円台をうかがう動き。ユーロドルは1.22台前半での高止まりから下放れて、1.21台後半へと下落している。豪ドル/ドルも0.77台後半から半ば割れ水準へと下押しされている。いずれも前日のドル安の動きを解消するには至らず、半値程度の戻しにとどまっている。そのなかではポンドドルは堅調で、一時1.37台を付けた後の押し目は1.36台後半で比較的浅い。対円では142円台乗せ、対ユーロでは一時0.89台割れなどポンド買いが優勢。前日の英中銀総裁がマイナス金利導入に慎重姿勢を示したことが引き続きポンド相場の下支えとなっているようだ。一方で、この日はラガルドECB総裁が、為替相場を注視、特にインフレに対する影響を注視するとしており、ユーロ高けん制と捉えられる面もあったようだ。このあとのNY市場では、クラリダFRB副議長をはじめとする米金融当局者らの講演イベントが多く予定されている。また、米地区連銀経済報告(ベージュブック)公表、米30年債入札などを控えており、ロンドン市場ではイベント前の調整の面もあったようだ。
ドル円は103円台後半での取引。前日NY市場で下落した流れを受けて、東京市場では103.53レベルまで一段と下落する場面があった。しかし、その後は買い戻しの流れとなり、ロンドン午前の取引では103.90台へと反発。104円台をうかがう動きとなっている。米10年債利回りは1.12%台と低下は一服している。欧州株は高安まちまちで、方向性に欠ける動き。このあとのNY市場での一連の米金融当局者らの講演イベント待ちとなっている。
ユーロドルは1.21台後半での取引。前日NY市場での上昇に調整圧力が広がっており、1.2223レベルにわずかに高値を伸ばしたあとは売りに押されている。足元では安値を1.2170近辺へと更新。ユーロ円は126円台半ばから後半の狭いレンジでの揉み合い。東京市場でつけた126.44から126.76のレンジ内にとどまっている。対ポンドでの売り圧力が再燃しており、全般的には上値が重い。この日はラガルドECB総裁が、為替相場を注視、特にインフレに対する影響を注視するとしており、ユーロ高けん制と捉えられる面もあったようだ。
ポンドドルは1.36台後半での取引。ロンドン序盤には1.3701レベルまで高値を伸ばした。その後はユーロドルとともに反落しているが1.3660台までの動きにとどまっており、前日からの高値圏に位置している。ポンド円は141.80付近から一時142.26レベルまで上伸。その後は買い一服も142円台を維持している。ユーロポンドが軟調。0.89台を割り込むと、安値を0.8896近辺まで広げた。昨年11月以来のポンド高・ユーロ安水準となった。前日のベイリー英中銀総裁がマイナス金利導入に慎重な姿勢を示したことで、ポンド買いが強まった。今日もその流れが継続する形となっている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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