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為替相場まとめ12月14日から12月19日の週

為替 

 14日からの週は、ドル売りの流れだった。リスク選好のドル安圧力と、米金融当局の緩和姿勢の両面が作用した。リスク選好面では新型コロナウイルスに対するワクチンの接種が英国や米国で開始したことが好材料。米国の経済支援策への期待も支援材料。足元の感染拡大は収まる気配をみせていないが、世界的に株式市場は活況を呈している。商品市場でも原油が買われた。この週には英米日金融当局が金融政策を発表した。米FOMCは事前予想通り金利や債券購入について据え置いた。そのなかで、パウエル議長は会見で経済状況が充分に改善するまではゼロ金利を維持すると明言し、これまで以上に超緩和政策を長期化させることが示された。英中銀は前回に資産買入枠を拡大したあともあり、金利とともに据え置きを発表。ブレグジットの行方を見守る姿勢に徹した。日銀も事前の想定通り金融政策を据え置いた。資金繰り支援については6か月延長した。また、注目された英欧貿易交渉については、決定打はでていないものの、双方の首脳が交渉継続姿勢を示しており、合意への期待をつなぐ格好となっている。週末にかけてはドル買いが入っているが、市場全般のムードには大きな変化はみられていない。


(14日)
 東京市場は、小動き。ドル円は朝方に103.83近辺まで軟化したが、前週末の安値水準で下げ止まり、その後は104円台を回復しての揉み合いとなった。ユーロドルは1.21台前半での取引。朝方に1.2143近辺まで上昇したあとは、1.2115近辺へと反落。その後は下げも一服。今週はFOMCなどを控えており、週明けのアジア・東京市場で積極的な取引が手控えられた。動きがみられたのがポンド相場。13日が協議の期限となり、合意なき離脱が決まる可能性が高かったポンドは、協議の継続が決まったことで週明け大きく上昇して始まった。ポンドドルは先週末の1.32台前半から一時1.3360近辺まで上伸した。その後は東京午前に1.33台を一時割り込んだが、午後には1.33台前半へと戻した。

 ロンドン市場では、リスク選好のドル売りが優勢。ポンドドルがロンドン時間も一段高となっており、1.34台乗せとなっている。ポンド円は139円台に乗せている。昨日の英首相とEU委員長との会談で、貿易交渉を継続することで合意されており、市場では決裂されかなったことが好感されている。バルニエEU首席交渉官は、依然として未解決な問題はあるが、合意への狭い道が残されているとしており、今週中の合意に向けて含みを持たせている。週明けの欧州株式市場は堅調にスタート、米株先物も時間外取引でプラス圏で推移。金先物は下落しており、安全資産買いが後退している状況。ポンドドルの上昇がリスク選好のドル安にもつながっており、ユーロドルは1.21台後半へ、豪ドル/ドルは0.75台後半へと高値を伸ばしている。ドル円は104円挟みの取引から103円台後半へと下押しされている。菅首相が、28日から1月11日までGOTOを全国を対象に一時停止すると表明したが、市場は反応薄だった。

 NY市場は、上下動。実需とみられるドル買いが入った。ドル円は売りが先行し、103.50近辺まで一時下落。米追加経済対策や英・EUの貿易交渉、そして、きょうから米国内で始まったワクチン接種への期待が高まり、市場にはリスク選好の雰囲気が出ていた。しかし、特段のドル買い材料が見当たらないなかで、ロンドンフィキシングにかけてドルが買い戻され、急速に104円台へと戻した。日銀が新型ウイルス対応の企業の資金繰り支援策について、期限を現在の2021年3月末から半年程度、延長する方針と一部報道で伝わった。これ自体には反応はみられなかった。ユーロドルは1.21台後半へ上昇後、1.21台前半へと押し戻され、1.21台半ばに落ち着いた。先週のECB理事会を通過して、今年のユーロ関連のイベントも終了した感も。ポンドドルはNY時間に入ってからは上昇一服。朝方には1.34台半ばまで、ポンド円は139.40近辺まで上昇。その後は売り戻しが入り、ロンドン朝方の水準へと反落した。英国をめぐっては、貿易交渉の継続が合意への期待をつなぐ一方で、新型コロナ感染の拡大、ロンドン市の「ティア3」宣言など不透明感も広がった。

(15日)
 東京市場は、比較的静かな展開。ドル円は104円割れも続かず、104円前後での揉み合いに。ユーロドルはジリ高の動きとなり、ユーロ主導でのドル安の流れが示されていた。1.2140付近から1.2160台へと水準を上げている。ユーロ円は午前の取引で126.20台から126.50台まで買われた。その後は揉み合いに。前日のNY市場で激しい上下動となったあとで、レンジ内での様子見ムードが広がった。

 ロンドン市場も、比較的小動き。前日のNY市場後半にドルの買い戻しが強まった流れを受けてロンドン序盤はドル高水準を試す動きに。ポンドドルの下げが主導し、1.33台前半から一時1.3280レベルまで下落。ポンド円も138円台後半から138.30付近まで下落。特段の貿易交渉関連の進展報道がないことが売りを誘った面があったようだ。しかし、欧州株や米株先物が堅調に推移したことで、リスク警戒感は後退。ポンドドルは再び1.33台半ばへ、ポンド円は138円台後半へと反発している。ユーロドルは1.2130近辺から1.2160近辺で下に往って来い。ユーロ円は126.20台へと下落したあと126.60近辺まで上昇。その後はレンジ内での揉み合いに。ドル円は104.10近辺から103.95レベルへと小安いが、前日NY市場での上昇からの調整の範疇にとどまっている。目立った新規材料はなく、あすの米FOMCの結果発表待ちになっている。

 NY市場は、ドル売りが優勢。ドル円は再び103円台へと下げている。あすの米FOMCの結果待ちとなっている。米国でのワクチン接種開始も、足元での感染拡大は収束の気配をみせず。クリスマスにかけて行動制限措置が再び導入されることが警戒されている。追加経済対策についても進展はみられていない。何もなければドル安といった雰囲気も。ユーロドルは1.21台半ばでの上下動。1.21台での足固めの段階となっているようだ。一部からは向こう数年間のインフレは米国の方がユーロ圏を上回るとみられている。しかし、米金融当局の緩和姿勢が強いことからドル売り圧力が根強いとの見方があった。ポンドドルは1.34台半ば、ポンド円は139.40近辺まで急上昇した。英保守党議員の話として「英国はEUとの合意の方向に傾いている」と伝わったことが合意への期待を高めたようだ。

(16日)
 東京市場では、ドル円が103円台前半へと下落。前日海外市場での下落の流れを受けて一時103.42レベルまで下落した。11月9日以来の安値水準となっている。ユーロ円は126円台が重くなり、午前に126.04近辺まで買われたあとは円買いに押されて125.80近辺へと下落した。ユーロドルは1.2150割れも、その後は底堅く推移し1.2160台まで小反発。限定的な値動きだった。ポンドドルは午前に1.3430台へと下押しされたが、午後には1.3470近辺まで買われた。ポンド円は139円台前半で底堅く推移。前日にEUとの貿易交渉の合意期待からポンド買いが入ったムードが残った格好。

 ロンドン市場は、リスク選好のドル安の動き。独仏ユーロ圏といった一連の欧州PMI速報値が製造業、非製造業ともに予想以上の改善を示したことがユーロ買いにつながったほか、ポンドにとってはフォンデアライエンEU委員長が「貿易交渉は合意に向けた道筋となっている」との交渉姿勢を示したことがポンド買いにもつながった。まだ漁業権などに課題が残るが、少しずつ前進している印象もみられている。前日の米株高を受けて欧州株も堅調に取引を開始し、欧州PMIの改善を受けて一段高になっている。ユーロドルは1.21台半ばが固く、一時1.22台乗せ。ポンドドルは1.34台後半から1.35台乗せへと上昇している。ドル円は103円台半ばから103円台前半へと軟化。クロス円は局面ごとに方向が定まらずおおむねやや円安方向に動いている。ユーロ円は126円近辺、ポンド円は139円台後半での取引。豪ドル/ドルは0.75台後半、豪ドル円78円台前半での推移。

 NY市場では、パウエル会見でドル売りが強まった。午後にFOMCの結果が発表され、一部で期待されていた資産購入の構成やペースに変更はなく、FOMCメンバーの金利見通しも2023年まで利上げなしを再確認したものの、投票のばらつきはややタカ派に寄っていた。米国債利回りが上昇の反応を示し、為替市場はドル買いの反応を見せたが、その後のパウエルFRB議長の会見が緩和姿勢へのコミットを強調したことから、再びドル売りが強まった格好。ドル円は朝方にドル売りが優勢となり103円台前半まで下落した。ただ、米国債利回りが上昇したことで下げ止まった。FOMCの発表直後には一時103.90近辺まで上昇。その後のパウエル議長会見を受けて103円台半ばへと再び軟化した。市場は米経済対策の行方に関心を集めており、早期合意に期待感を高めている面もあった。ユーロドルは1.21台前半まで軟化したあと、パウエル議長会見を受けたドル売りで1.22付近へと買い戻された。ポンドドルは朝方に1.35台まで買われたが、その後は上昇一服。1.34台後半での取引が続いた。英首相報道官が「合意なき離脱が依然として最も可能性が高い結果」と述べ、きのうのジョンソン英首相の発言を踏襲していたが、市場は合意への期待を高めているようだ。

(17日)
 東京市場は、ドル売りが優勢。ドル円は103.25近辺まで下落し、わずかながら前日海外市場の安値を下回った。米FOMC後に一時ドル買いが入ったものの104円台を付けきれず反落したことで、上値の重さが意識されている。東京市場ではアジア株が堅調に推移し、リスク選好のドル売りの面もあった。ユーロドルは1.21台後半でのサポートを確認したあと、1.22台に乗せると前日高値を上回る1.2235近辺まで上昇した。ポンドドルも前日高値を上回り、1.3564レベルまで買われた。豪ドルは0.76台手前へと上昇、米ドルが全面安となった。

 ロンドン市場は、ドルが全面安。前日の米FOMC後の会見でパウエルFRB議長が経済が顕著に改善示すまでQEを継続すると明言し、超緩和策の長期化が示されたことが背景。米株先物は時間外取引でナスダックやS&P500が最高値を記録。ドイツでの感染者数最多など新型コロナ感染拡大よりも、米金融当局の緩和姿勢の方が前面に押しされてリスク選好のドル売りにつながった。ユーロドルは1.22台にしっかり乗せ、豪ドル/ドルは0.76台前半から半ばをうかがう動き。ドル円は上値重く推移して103円近辺へと下押しされている。なかでもポンドドルの上昇が目立っている。2018年以来の1.36台乗せとなっており、この日の安値から100ポイント超の大幅上昇に。対円や対ユーロでも買われて、ポンド高の動きも際立っている。英欧貿易交渉への合意期待が残っており、英金融政策発表前から買い進まれた。英中銀は事前予想通り金利および資産買入枠を据え置いた。ポンドは発表前からの高値水準で推移、特段の反応は示さず。

 NY市場でも、ドル売りが強まった。ドル円は一時102円台に下落。米追加経済対策への期待の高まりと、FRBの慎重姿勢がドル安を支援し、ドル円の下押しにつながったようだ。米追加経済対策については、超党派協議が大詰めを迎えている。ホワイトハウスは48時間以内の合意の可能性に言及。米株式市場ではダウ平均が最高値に接近するなど好調な動き。リスク選好のドル安となっている。前日の米FOMCでゼロ金利を当面維持する姿勢が示されており、ドル売り圧力につながっている。ユーロドルの上値追いが続いており、1.2270近辺まで上昇。2018年4月以来の高値水準に。英・EUの貿易交渉の合意、ワクチン、そして、EU復興基金がユーロ高材料とみられている。ポンドドルは1.36ダウまで買われたあと、NY終盤には1.35台半ばへと上昇一服。英国とEUとの貿易交渉については合意期待が強いが、結論がでるまでは神経質に調整売りも入っている。

(18日)
 東京市場は、ドルに買い戻しが入った。ドル円は前日海外市場で102円台を付けたと103円台を回復して東京朝を迎えた。しばらくは小動きだったが、次第にドル買い・円売りに。東京およびアジアの株式市場が利益確定売りに押されるなかで、前日のリスク選好のドル売りに調整が入った。午後には103.49レベルまで高値を伸ばした。日銀金融政策決定会合は企業向けの資金繰り支援の半年延長や、物価2%目標に向けた検証を3月会合をめどに行うことなどが発表された。金融政策の大枠に変化はなく、相場への影響は限定的。ユーロドルは1.22台後半から1.2239レベルまで反落。ポンドドルは1.35台後半から前半へと下落。前日NY夕方にジョンソン首相発言などでハードブレグジット懸念が広がり売りが出た流れが継続した。ユーロ円は126円台後半、ポンド円は139円台後半での揉み合いが続いた。

 ロンドン市場は、調整のドル買いが優勢。欧州株高、独Ifo景況感指数のの大幅改善、英欧貿易交渉の合意期待などリスク選好のドル売りの動きがみられたが、ドル売りは続かず。東京市場でみられた調整主導のドル買いの押し戻されている。ただ、これまでのドル安の流れには大きな変化はみられず、あくまでも週末を控えた調整の印象。ドル円は徐杏に103.60付近へと上昇、その後は103円台半ばでの揉み合いに。ユーロドルは東京市場で1.2240付近まで軟化したあと、いったんは1.2260台まで反発したが、その後は上値も重く1.22台半ばでの揉み合いになっている。ポンドドルも序盤には1.3560近辺まで下げ渋ったが、上値は重く一時1.3490付近まで下押しされた。その後は1.35台に反発も戻りは限定的。クロス円は序盤に円安方向に振れたあとは、一服している。

 NY市場はドル安が一服しており、ドル円も買い戻しが優勢となった。一時103.60近辺まで上昇したが、来年もドル安期待が根強い中で上値は抑えられている。ただ、一部からは市場のドル安期待の高まりと伴にドルのショートポジションがかなり積み上がっており、何らかのイベントをきっかけに、その巻き戻しが入るのではとの指摘も出ていた。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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