ドルが全面安、前日の米FOMCの緩和姿勢で ポンド買い加速=ロンドン為替概況
ドルが全面安、前日の米FOMCの緩和姿勢で ポンド買い加速=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドルが全面安になっている。前日の米FOMC後の会見でパウエルFRB議長が経済が顕著に改善示すまでQEを継続すると明言し、超緩和策の長期化が示されたことが背景。米株先物は時間外取引で買われており、ナスダックやS&P500が最高値を記録。ドイツでの感染者数最多など新型コロナ感染拡大よりも、米金融当局の緩和姿勢の方が前面に押しされており、リスク選好のドル売りにつながった。ユーロドルは1.22台にしっかり乗せ、豪ドル/ドルは0.76台前半から半ばをうかがう動き。ドル円は上値重く推移して103円近辺へと下押しされている。なかでもポンドドルの上昇が目立っている。2018年以来の1.36台乗せとなっており、この日の安値から100ポイント超の大幅上昇になっている。対円や対ユーロでも買われており、ポンド買いの動きも際立っている。英欧貿易交渉への合意期待が残っており、英金融政策発表前から買い進まれている。英中銀は事前予想通り金利および資産買入枠を据え置いた。ポンドは発表前からの高値水準で推移しており、特段の反応は示していない。
ドル円は103円台前半での取引。前日のFOMC後のドル売りの流れが継続しており、103円台前半へと軟化、安値を103.03近辺まで広げている。今年3月以来のドル安・円高水準になっている。欧州株や米株先物が総じて堅調に推移しており、リスク選好のドル売りに押される格好になっている。
ユーロドルは1.22台前半での取引。前日のFOMC後のドル売りの流れで上昇しており、ロンドン序盤には高値を1.2244レベルまで伸ばした。その後は上昇一服も1.22台前半で底堅く揉み合っている。ユーロ円は上値が重い。株式市場は堅調に推移しているが、126円台前半で上値重く推移している。対ポンドでのユーロ売り圧力が続いており、上値を重くしている。11月のユーロ圏消費者物価指数・確報値は前月比、前年比ともに-0.3%と低迷した。マクロン仏大統領がコロナ検査で陽性と報じられた。
ポンドドルは1.36台前半での取引。前日のFOMC後のドル売りが続いていることに加えて、英国とEUとの貿易交渉がギリギリの段階でわずかながら進展をみせていることが合意へ期待をつないでいるようだ。また、英中銀が前回に資産買入枠を拡大したことで、今回は追加策が見送られるとの読みも広がっていた。ポンドドルは1.36台乗せと安値から100ポイント超の上昇。ポンド円は140円台にしっかりと乗せている。ユーロポンドは0.90台割れへと下落している。英中銀は事前予想通り金利および資産買入枠を据え置いた。ポンドは発表前からの高値水準で推移しており、特段の反応は示していない。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。