ドル円は下げ一服も下値模索が続く=NY為替後半

為替 

 NY時間の終盤に入ってドル円は下げが一服しているものの、104円台前半での下値模索が続いている。きょうの市場はリスク回避の雰囲気が強まる中、為替市場ではドル高・円高の動きが強まっている。その中でも円高がやや優勢となっており、ドル円は下値模索の展開を見せている。一時104.10円付近まで下落し、目先の下値サポートとして意識されている9月安値の104円割れを試す動きも見られた。リスク回避のドル買いも見られることから、いまのところは104円台は維持しているものの、下向きの流れが続いている。

 特段の材料が出たわけでもなく、市場が警戒感を強めている要因は米国での感染第3波が拡大、米大統領選前の追加経済対策の合意困難、そして、来週の米大統領選への不透明感のようだ。米大統領選前の月末接近でポジション調整の動きが加速している模様。

 米感染第3波の拡大については、過去1週間の新規感染者数の平均は6万9967人と過去最多に拡大しているほか、36の州で入院患者が5%以上拡大している。イリノイ州ではシカゴの飲食店に対して屋内でのサービスを中止するよう要請するなど、移動制限も再実施されており、経済への影響を不安視している。

 また、米大統領選については、開票後に次期大統領がすんなりと決まらない空白期間が出るのではとの不安が広がっており、投資家はポジションをいったん手仕舞うか、ヘッジの動きを増やしているとの声も聞かれる。

 ドル円は104.10円付近まで下値を切り下げているが、テクニカル勢からは、104円水準を完全にブレイクすれば、底割れとなり、トラップドア効果から、102円台まで一気に下落するリスクもあるとの声も聞かれる。しかし、短期筋の急速なショート・ポジションの積み上がりも想定され、ショートカバーのきっかけになるとの見方もあるようだ。

 ユーロドルはNY時間に入って下げ渋っているものの、1.1710ドル付近まで一時下落した。本日の21日線は1.1775ドル付近に来ているが、その水準を下回っており、明日以降の動きが警戒される。

 欧州でも感染第2波が悪化しており、ドイツでは1カ月間の部分的な都市封鎖(ロックダウン)の実施をメルケル首相が合意したとも伝わっている。国内のバーやレストランに1カ月間の休業を提案しているとの報道も伝わっている。

 明日はECB理事会が予定されているが、政策自体は据え置きが見込まれている。ただ、ECBは声明やラガルドECB総裁の会見で12月の追加緩和拡大を示唆してくると見ている向きは多い。しかし、一部からは、事態の悪化から、ECBがサプライズ緩和を実施して来るのではとの憶測も出ているようだ。

 ポンドドルも戻り売りが強まり、ロンドン時間には1.2920ドル付近まで一時下落した。本日の21日線は1.2980ドル付近に来ているが、その水準を一時下回った。ただ、NY時間に入って21日線付近まで買い戻されており、瞬間的に1.30ドル台を回復する場面が見られた。

 一部報道で英・EUの貿易交渉で進展が見られ、11月初めにも合意の可能性があると伝えたことに敏感に反応したようだ。ブルームバーグが関係者の話として、英国とEUは公正な競争環境について合意文書の作成に着手し始め、国家補助の問題をカバーする共同文書は近くまとまる見通しだと伝えている。合意をどのように施行するか本質的な部分の決定にも英国とEUは近づいたという。

 きょうはカナダ中銀が金融政策を発表しており、政策金利は大方の予想通りに据え置きとなった。ただ、国債購入を再調整し、長期債にシフトする一方、週50億加ドル以上としていた国債購入額を週40億加ドルに段階的に縮小することも発表した。

 サプライズから、この発表を受けてカナダドルは売りの反応を見せている。国債購入額は縮小するものの、長期債にシフトすることで緩和効果をより強めようという意図のようだ。長期債の利回りは住宅ローンや企業の融資に直接影響する。カナダ円は78.20円付近まで一時下落。なお、今年のGDP見通しをマイナス5.7%に上方修正した一方で、21年はプラス4.2%に下方修正している。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

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