ドル円は105.30円付近まで一時下落 FOMC控えユーロに調整の動き=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル円は売りが続いており、105.30円付近まで下落する場面も見られた。きょうからFOMCが始まっている。今回は政策変更は見込まれていないが、市場は枠組み見直しに注目しているようだ。これまでのインフレ目標2%を、平均2%に変更することで、許容範囲を拡大させ、FRBは低金利の長期化を強調して来ると見られている。先日のパウエルFRB議長の講演に引き続き、少なくともそれに向けたヒントは示されるものと期待されているようだ。
ドル円は21日線を下放れる展開となっているが、目先は8月安値の105.10/20円水準がサポートとして意識される。心理的節目の105円を試す気配が見られる中で、明日のFOMCの結果にどのような反応を見せるか警戒される。
ユーロがNY時間に入って売りに押され、ユーロドルは1.1840ドル付近、ユーロ円は124円台に一時下落した。特段のユーロ売りの材料は見当たらなかったが、きょうから始まるFOMCでは、FRBが低金利の長期化を目指した枠組み見直しに向けて何らかのヒントを出して来るのではとの期待が強まっている。
しかし一方で、それ自体はかなり織り込んでいる部分もあり、ドルショートもかなり積み上がっていることから、イベントをきっかけにポジションの巻き戻しが出るのではとの憶測も広がっている。ドルショートの積み上がりと伴にユーロロングも最高水準に積み上がる中で、明日のFOMCの結果を前にしたポジション調整が出ていたのかもしれない。
ただ、ユーロ高への期待は根強い。FRBが低金利の長期化を強調する中でドル買いへの回帰は期待しづらい。一方、英国の合意なき離脱への警戒感が高まっており、対ポンドでのユーロ買いも期待される。
ポンドドルは一時1.29ドル台まで上昇したものの、NY時間にかけて戻り売りが優勢となり、1.28ドル台半ばまで下落する場面も見られた。英下院はきのうの深夜に、EUと合意した離脱協定の一部変更を可能にする国内市場法案について審議開始は可決した。ただ、EUとの合意はすでに国際法となっており、それに違反する可能性をジョンソン政権も認めている。EUも強く反発しており、与党内からも難色が示される中で、今後の議会での審議は紛糾しそうだ。
市場からは今回の法案が成立しようがしまいが、ポンドにとっては重石となるとの見方も出ている。成立すれば合意なき離脱の可能性が高まり、成立しい場合は、ジョンソン首相のリーダーシップが損われる可能性があるという。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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