終盤にドル買い戻しもドル円は相変わらず膠着相場が続く=NY為替概況
きょうのNY為替市場、終盤に入って米株の戻り売りが加速したことでドル買い戻しの動きが優勢となった。前半はリスク選好の雰囲気は一服していたもののドル売りが優勢となっていた。ただ、ドル円は107円台での膠着相場に変化はない。
米国での感染第2波への警戒感が強まっていると同時に、きょうは豪州のメルボルンで6週間の都市封鎖を実施すると発表。ただ、市場はいまのところ、以前のような全面的な都市封鎖まではないと楽観的に見ている。景気回復への期待と感染第2波への懸念の間で日替わり相場になっている印象だが、きょうは楽観的な見方は一服。米雇用統計やISM指数など直近発表になっている経済指標は予想を上回る内容が多く、回復への兆しを示している。一方で感染第2波への警戒感が強まりつつある中、好調な経済指標が持続できるのかといった疑問も同時に台頭しているようだ。
ドル円は相変わらず膠着相場が続いているが、ドルと円が材料に対して同方向に動いていることから膠着してる半面、感染第2波と景気回復の行方を見極めたい部分もあるのかもしれない。
ユーロドルは序盤に1.13ドル台まで戻していたが、終盤になって戻り売りに押されている。この日はドイツの5月の鉱工業生産が発表され、前月比7.8%増と前月の大幅減からは急回復していたものの予想は下回った。ただ、一部からは経済活動は全般的に予想を上回るペースで回復しているとの指摘も聞かれる。前日はフランスでも同様の見方が伝わっていたが、ドイツは、製造業の生産拡大を上回るペースで店舗には客足が戻っているという。
5月のドイツ製造業受注は2月と比較すると依然として17%程度落ち込んでいるものの、小売売上高は4%近く増加した。ただ、通常の水準に戻すまでには、もうしばらく時間がかかりそうだが、回復の兆しはしっかりと見られるという。
ポンドドルも序盤は1.25ドル台後半まで上昇する場面も見られたが、1.25ドル台半ばに伸び悩んだ。貿易交渉が再開しており、責任者のフロスト英首席交渉官とバルニエEU首席交渉官が非公式で夕食会を開催すると伝わったことや、明日のスナック英財務相の景気刺激策の演説を前に前半はショートカバーが強まっていた。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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