米中通商協議の進展期待で、円売りの動き再燃=ロンドン為替概況
米中通商協議の進展期待で、円売りの動き再燃=ロンドン為替概況
7日のロンドン市場は、円売りが優勢。前日のNY市場からの流れを受けて、東京市場では円買いの動きが優勢だった。しかし、ロンドン序盤に「米中が段階的に関税撤廃合意」と報じられると一気にドル円、クロス円が買われた。リスク選好ムードが再燃して、欧州株や米株先物が上昇、米独仏など主要国債券利回りが上昇した。中国商務省は、米中が通商協議のフェーズ1で合意できれば、双方が同規模で既存の関税撤廃行うこと合意、どの程度の範囲で関税を撤廃するのかは、交渉中だ、としている。また、中国政府は、ハイテク産業における海外からの投資を奨励する、との報道や、中国が米国からの鶏肉輸入制限撤廃を検討、との報道もあった。米10年債利回りは1.88%近辺へと上昇。ドル円は109円台乗せから高値を109.20レベルまで広げた。ユーロ円は120円台前半から121.11レベルまで、ポンド円は139円台後半から140.53近辺まで買われた。昨日のIMFに続いて、きょうはEU委員会がユーロ圏の成長見通しを引き下げたが、ユーロ相場は反応せず。むしろ、独仏債利回りはリスク選好に乗って上昇している。ポンド相場も素直に買われたが、英中銀金融政策の発表前には買い一服に。
ドル円は109円台前半での取引。前日のNY市場からの流れを受けて、東京市場では円買いの動きが優勢だった。ドル円は一時108.65レベルまで下押しされた。しかし、ロンドン序盤に「米中が段階的に関税撤廃合意」と報じられると一気に買われて109円台を回復。その後、やや下押しも、、「中国が米国からの鶏肉輸入制限撤廃を検討」との報道で再び上昇、高値を109.20レベルに伸ばした。欧州株や米株先物が上昇、米10年債利回りが1.88%を付けるなどリスク選好ムードが広がっている。
ユーロドルは1.10台後半での取引。東京市場で1.1055レベルまで下落したあとは下げ渋り。「米中が段階的に関税撤廃合意」との報道で、ユーロ円とともに反発し、高値を1.1092レベルまで伸ばした。ユーロ円は120円台前半から急速の買われて、高値を121.11レベルに更新している。欧州株が上伸するなかで、独10年債利回りは7月以来の高水準、仏10年債利回りはプラス圏へと上昇した。前日のIMFに続いてきょうはEU委員会がユーロ圏成長見通しを引き下げたが、反応薄だった。
ポンドドルは1.28台半ばでの取引。ロンドン序盤にはユーロドルなどとともにドル売りが強まり、1.2878レベルまで買われた。ただ、英中銀金融政策発表を控えて、やや上値が重くなっている。ポンド円はドル円、クロス円とともに急伸した。139円台後半から140.53近辺まで買われた。その後も140円台前半の水準を維持している。対ユーロではやや売られている。このあとの英スーパーサーズデーでは、四半期インフレ報道での成長見通し引き下げの可能性も指摘されており、上値を抑えられる面があった。
MINKABU PRESS 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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